【朗読・ナレーションお題】

No.1

タイトル:高校野球


彼は語った
国旗が翻るバックスクリーンに向かって

今まで自分自身が積み上げてきたもの
チームメイトと共に流した汗と涙
三年間という短くも濃密な時間

その言葉には全てが詰まっていた

甲高いサイレンと共に始まる熱い戦い
第103回全国高等学校野球選手権大会

この夏、ヒーローになるのは誰だ

No.2

タイトル:路地裏探訪番組


繁華街を一本入った路地

そこは今までの喧騒 (けんそう)が
嘘だったかのように静かで
別世界に迷い込んでしまったかのようです

そこを"住処とする者たち"は
大都会の狭間で今を生きています

こんばんは
金曜日の深夜いかがお過ごしでしょうか?

この番組は"住処とする者たち"の話を聞き
リアルな日常をお届けする番組

今日の旅人は
芸人のアンラッキーズです

さてさて
今日はどんな出会いがあるのでしょうか?

No.3

タイトル:始まり


春の訪れは鮮やかだ

赤や黄色や緑
幾つもの色が世界に馴染んでいく

小鳥たちの音色や
動物達が起き出してきて
賑やかに一日が始まる

指でリズムを取りながら
道を歩くと

これから何かいい事が起こるような
そんな気がする

"始まり"
それは誰にでも訪れる

世界が広がる瞬間だ

No.4

タイトル:ソシャゲCM風


まさかのコラボ
ここに爆誕!!

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掛け合わせ育成ゲーム!!

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No.5

タイトル:世界の終焉


この水平線に見えるのは蜃気楼ではない
古(いにしえ)の人々が創った歴史だ

一千年の長きにわたり
ここを守ってきた無限要塞

だが今はその片鱗(へんりん)
さえ分からないほどに朽ち果てている

あの時何が起こったのか
その真実を知る者は
もう僅(わず)かしかいない

一度この世界は終焉を迎えた…

ここに記そう
私が見てきたものを
あの悲劇を繰り返さないために

No.6

タイトル:冥界ポスト


東京のとある路地の奥に
ポツンと黒いポストが立っています

そんな場所で誰が使うんだ
と思いましたか?

そう、人間は使いませんし
そもそも見えません

このポストは冥界ポスト
人ならざるものが使うポストです

ほら
誰が近づいて来ました

下駄の音を響かせて
黒いの翼を広げていますね

さてさて
どなた宛のお手紙でしょうか?

今宵のお話は
「烏天狗の恋文」

ゆっくりとお話を
紐解いていきましょう

No.7

タイトル:流星群


星が落ちてくる
そんなの予感がした

空をみると夕日と夜空が混ざっていた
今光っている星はその場所ではもう存在しない

そんな不思議と儚(はかな)さに
苛(さいな)まれながら自分の人生を
遡(さかのぼ)った

夕日が沈むと
待っていたかのように
星が降ってきた

そう
それは言葉のとおり
何百、何千という星達が降ってきた

その光景はなんとも言い難い
壮大な夜空だった

一万年に一度
地球に近づく流星群
この星達はどこへ行くのだろう

その旅路は果てしなく
この宇宙(そら)にどこまでも続いている

No.8

タイトル:姫様と朔太郎


これからするお話は
とある姫様のお話であります

ある時から
姫様は急に目が見えなくなってしまいました

そこに現れたのが
なんとも透き通るような
艶(つや)のある声の持ち主
その名を朔太郎(さくたろう)

城下で聞いた声に姫様は恋に落ちてしまいます

しかし
顔が見たいと思っても見れない
そんなもどかしさに姫様は心を痛めてしまい
食事もろくにとれなくなってしまいました

ある時
姫様に料理番がお粥を運んできました
すると「失礼します」の声に姫様は驚きます

そう
その料理番こそ朔太郎その人だったのです

姫様と朔太郎
二人の恋の行方は
いったいどうなるのでしょうか?

それではお話の
はじまり、はじまり

No.9

タイトル:未知への旅


西暦2350年

この日が世界を変革させる日となった

あの地球大断裂から200年
真っ二つになった地球は北と南で大きく変わってしまった。

ノースアースは平均気温-50℃という極寒の世界ながら科学を発展させ、人間が平常体温を維持できる薬を開発し1年に1度それを飲むだけで日常生活ができるようになった

サウスアースは逆に灼熱の世界で3分の2の人口が当時死滅したがわずかの人間がその世界に順応し生き残った… そして人間という概念を超えた...

キクチ・カズマはノースアース新生党改革派のトップだった

カズマはなんとかしてサウスアースに行き問題となっているエネルギー不足改善の足がかりを掴みたかった

しかしサウスアースに行くには死の淵、デス・グルーブを渡らなければいけない

地上を渡るのはもちろん不可能で空から航空機を使っても下から吹き上げる強い風でバランスを崩して墜落してしまう

しかし、カズマが発足した研究チームが今年ついに1年に2時間だけ風が止む日時を突き止めた..

ついにノースアースの人間が数百年の時を経てサウスアースに降り立つことになる

果たして、サウスアースの世界とは....
人類はどんな進化を遂げたのか..

カズマは生きて帰れるのか...
未知への旅が今、 始まる。

No.10

タイトル:雨


彼女はなんとも言えない顔で笑った
それは自分の人生が終わることを悟った笑顔だった

僕は何も言葉を返すことが出来なかった

その数日後、
あっけなく彼女はこの世を去った

なんであの時─
悔やんでも、
悔やんでも、
悔やんでも、

心の穴は埋まらなかった

あの日から1年
僕の心の中はずっと雨が降っている

この雨が止む日は来るのだろうか…

No.11

タイトル:異世界統制局


異世界統制局

転生・転移の人選の管理、各世界との情報交換、要人の警備などを行う政府直下の機関である─

2455年
異空間移動装置
インフィニティゲートが開発され
異世界への自由航行が可能となった

それを受けて政府は異世界統制局を整備

統制局は人事部、検疫部、管制司令部、警備部とあり各部署には異世界から帰化した者や転生経験者が配属された

ここ警備部は無法者の捕縛と要人の警護を主な業務としている

私は警備部部長兼統制局局長
グレン・カーティス

今日も慌ただしい一日が始まる

No.12

タイトル:秋は静かに


秋は静かに終わりを告げる

茜色の葉は落ちて
終焉への道標かのように大地を染め上げる

その上を歩く動物達は
ゆっくり住処へと帰っていく

厳しい冬はあっという間に大地を包みこむ

─そして、世界から色が消えていく

太陽の光が乱反射するその世界は
眩しいほどに輝いていた

No.13

タイトル:始まりの鐘


始まりの鐘が鳴る

その音色は世界に轟き

選ばれし者達が立ち上がる

それは新たな時代の幕開けであり

永きにわたり語り継がれる

勇者達の歴史である

No.14

タイトル:白鴎七不思議


白鴎(はくおう)高校

都内でも随一の偏差値で
部活動も全国大会常連という
文武両道の進学校である

中庭を歩くこの男も
"天才"という部類に入る人物

校内でトップの学力を誇り
剣道では全国大会の覇者である

だがこの男
あるもうひとつの肩書きがある
"オカルト研究部副部長"

オカルト研究部は
教師でも知る人は少ない

中庭を通り旧校舎の地下
外界から遮断された場所
に部室がある

そこの主
部長である院瀬見(いせみ)瑠璃香も
一癖も二癖もある人物である

部で扱う事案は様々だが代々受け継がれている事案が存在する

白鴎七不思議の解明である

"最後の七つ目
それは開けてはいけない
冥界への扉"

院瀬見は柱に刻まれた
その言葉を凝視していた

これから起こることが
わかっているかのように…

No.15

タイトル:首都消失

朝起きたら
涙を流していた

頬に伝う感覚は何か懐かしくて
あの頃を思い出した

鉄塔がそばで立ち並ぶ河川敷を
夕日に向かって歩く
兄の手はその時も大きかった

ふっと口角が上がるのを感じて
私にもまだ笑うという感情が残っているのだと安心した

カーテンが少し明るくなっている

疼く右手を擦りながらカーテンを捲るとかつて家族で暮らした場所は跡形も無くなっていた

あれは夢ではなかったのだと
冷たい現実を突きつけられる

私は役目を果たさなければならない
でもそれは雲を掴むような話だ

一瞬の間に起こった
"首都消失"という事件

今、この地球で
何が起こっているのだろうか─

No.16

タイトル:ニュース


次のニュースです

昨夜未明
新宿の繁華街で猫にボールのようなものを複数回ぶつけた動物愛護法違反として住所不定無職の少年が逮捕されました

警察の話によると少年は
「新種のモンスターかと思った」

「ここのジムリーダーはだれだ」

と意味のわからないことを話しているとのことです

少年は他にもボールのようなものをいくつも所持しており

警察は余罪も含めて捜査しています

No.17

タイトル:邪神


ここは聖皇国ラベリオス
六界神が住み、世界の始まりヴァースが封印されている場所である

六界神とは
火の神、ダリス
水の神、アクフェル
土の神、ググル
風の神、フィーラ
雷の神、ドドルド
そして、聖の神、メルディーナ
各大陸ごとを統べる神々である

彼らは戦争や災害などを鎮め人々の平和と世界の均衡を保っていた

だが、しかし
それを良く思わない者がいた
邪の神バリスである

千年前、ある出来事がありバリスはラベリオスから永久追放されていた

最大の禁忌、神殺しを犯したからである

「ふふっ…この時を待っていたんだ」

彼は不敵な笑みを浮かべるとヴァースの封印に手をかざした

No.18

タイトル:魔剣


双剣ルージュアルギュロス

その赤く光る刃はこれまで幾人もの人間を斬ってきた血が染み込んだものである

城の地下室に封印されしこの剣は国王と側近の数人しか知らず門外不出として暗黙の了解がなされていた

はるか昔、この剣は国王に献上され勇者が持つ聖剣として扱われていた

しかし、それを持った勇者が突然
赤眼となり王女を斬り殺した
その後、聖都すべてが血に染ったという

それからこの剣は聖剣から魔剣となった

数百年後
幼き第三王子クラウスは偶然隠し扉を見つけ地下室の存在を知ることとなる

【セリフお題②】

No.1

タイトル:お手伝い


よいしょ…
よいしょ…

先生!これは?
あそこ? はーい

先生!!この赤い本は?
こっち? はーい

はぁーー 疲れた…
ねぇ…先生?

これ終わったら本当にご褒美くれるんですよね?
ふーん…
期待しちゃいますよ?

え?教えてほしいか?
はい! 何ですか!?

な…もうー
性格悪っ…

はいはい
わかりましたー

まったく
人使い荒いんだからなぁ

ってか先生?
口に朝ごはんのケチャップがついてますよ

これでも世間では名の知れた大魔法師
なんですからちゃんとしてくださいね

ふふっ…
僕に注意されてるようじゃ
先生もまだまだですね

No.2

タイトル:Neo,Noah's Ark


あぁ…やっと来た

僕は何度も
君に呼びかけていたんだよ

僕が誰か?
ふふっ…
この世はもうすぐ沈む
神の怒りをかったのさ

旧約聖書に書かれている
ノアの方舟(はこぶね)は
知ってるかい?

彼は神に選ばれた人間だ
だから生き延びられた

君を呼んだのは他でもない
私と一緒に来ないか?

Neo,Noah's Ark(ネオノアズアーク)
は君を歓迎する

よく考えることだ
この世の藻屑(もくず)と消えるか

新世界の祖先(そせん)となるか
選択権は君自身にある

No.3

タイトル:陰陽師


真紅の月が満ちる時

響く鈴の音(ね)百八つ(ひゃくやっつ)

鳥居が繋(つな)ぐ輪廻(りんね)の先に

陰陽道の神、蘇(よみがえ)る

その神、仏が妖(あやかし)か

どちらも然(しか)り…
どちらも否(いな)…

その者
陰と陽を合わせ持つ姿なり

No.4

タイトル:Midnight


あら?

早かったわね
奥さんは大丈夫なの?

ふふっ… そう…

何か飲む?
はい、グラス

今日は綺麗な満月ね
夜景も素敵

君も綺麗?
ふふっ…ありがとう

んー、まだ待って…

後ろ向いてて
いいから

はい…こっち向いていいわよ
え? これ?

私の愛するベレッタM92よ
冗談じゃないわ
あなたはここで眠るのよ

なぜ?
それはあなたの胸に聞いてみることね

さよなら
マイハニー

No.5

タイトル:彼氏の前では


ただいまぁ〜
はぁー疲れたー

今日は外回りばっかりで足がパンパン…
頑張ったからさ…よしよしして?

ふふっ…ありが…
あ、ごめん、電話

(仕事スイッチオン)
はい、部長お疲れ様です
あぁ、今日のプレゼンですか?
完璧です。先方にも喜んでもらえました。
はい…はい…わかりました
明日、また報告します
はい…お疲れ様でした

ふぅー
え? 部長から電話だった
直帰するっていったのに連絡して来ないでよねー

ねぇ…よしよしして…
ありがとー
今度ぎゅーってして?
ふふっ…ぎゅーー……

ん? 何?また?
ごめん、部長から電話…

(仕事スイッチオン)
はい、もしもし
何か急用でしょうか?
え? 今日の?
はい…はい…わかりました
メールで今日中にお送りします
いえ…大丈夫です
お疲れ様でした…

もーまた部長からー
資料今日中に寄越せって!
明日でいいじゃんね!

んーーーもう、つかれたーー!!
ってかお腹空いたぁー

え?ご飯出来てる?
はぁー…ほんと…大好き

え?大好きって言ったの!
ふふっ…聞こえてたくせにー

No.6

タイトル:貴方の背中をずっと見ていた


あ!
先輩!先輩!先輩!
せんぱ〜い!!

おっはようございます!!
今日もいい天気ですね〜!!

空を見てください!
太陽が輝いていますよ!!

あれ?どうしたんです?
先輩の顔色は曇ってますね…

え!? 振られた?
明日香先輩に?

はぁー…
だから言ったじゃないですか
高嶺の花だってー

まあ、元気だしてくださいよ
噂では5股かけてるらしいですから
はいはい、そんなひとのこと忘れましょ

(テンションを落として)
上ばっかり見てないで
そばに居る花にも気づいて欲しいな…

ん?いやいや…
なんでもありません!!

ほら、行きましょ行きましょ
遅刻しちゃいますよー!!

先輩、好きです…
手を…繋いでもいいですか?

言葉にならない声が秋の空に消えた

No.7

タイトル:飲んでま~す♪


あ、おかえり〜

ん? うん!
酔ってま〜す!ふふっ…

お仕事お疲れ様!!
よしよししてあげるから
こっち来て〜

早く〜!!
だから… 早く来いって言ってんだろ?

ん〜 よしよし〜
頑張った君にはチーズ鱈をあげます!

はい!あーーん
口開けて!ほらー!

だ・か・ら…さっさと開けろって
はーい、よく出来ましたー

今日は朝まで付き合ってもらうからねぇ
付き合って…くれるかな?

ん?じゃなくて…
一緒に飲んでくれるかな?
はぁ…そこはいいともー!!
だろ?

30年続いた伝説の番組を知らんのか
あーあ、ジェネレーションギャップ感じるわー

あ…カラだ
ねぇ、冷蔵庫からビール取ってきて?

あ? 飲みすぎだ?
夜はこっからだろ

5秒以内にもってこないと
こないだの写真拡散するぞ

5,4,3,2……
はーい、ありがと♪

いい子だね〜

No.8

タイトル:騎士団長の言葉


諸君、よく集まってくれた
これから私達はヴェルトハイムに進撃する

ここにいる者は皆、百戦錬磨の猛者達だ
こんなヤツらと…と思っている者もいるかもしれない…
だがここは私の顔を立てて協力してほしい

それだけこれから戦う相手は強大なんだ…

ふふっ…かくいう私も震えがとまらない
騎士団長という肩書きにも押し潰されそうだ

だが君達がいるからこそ戦える
この一時、戦友として信じたい

だから君たちも私を信じてくれ
小さな背中かもしれないが全力で応えよう

さあ…そろそろ行くぞ
また此処へ
私たちの国へ帰ってこよう

No.9

タイトル:また会えるよね


別れる時、手を振る時
寂しい気持ちになるのはなんでだろう

また会えるのにきゅっと心が締め付けられる

君の笑顔に元気をもらい
君の声に癒されて
君の温もりに安心する

小さい画面で繋がるよりも
やっぱり直接会いたいと思う

次はいつ会えるかな...

それを考えるだけでドキドキする

「じゃあ...またね... バイバイ」

No.10

タイトル:手紙


お父さんへ

手紙を書くのは幼稚園以来かもしれませんね。 今まで私を育ててくれてありがとうございます。

小さい頃からお母さんがいなかった私にとってお父さんはかけがえのない存在でした。

中学生の時、お母さんが私が生まれたときに亡くなったと聞いた時は悲しくてその夜は眠れませんでした。

お母さんがいなくなった後、仕事となれない家事もやりながらさらに子育てもと本当に大変な日々だったと思います。

近くにいた私はずっと見ていました。
誇らしいとも思っていました。

でも思春期のころはそれが何か嫌で
お父さんへ怒鳴ったり反抗してしまっていました。本当にごめんなさい。

でもお父さんはいつも優しかったですね。受験時期に夜勉強していたとき、夜食にいつも持ってきてくれる焼きうどんがその時は言えませんでしたがとても嬉しかったです。

そして会社で出会った彼を紹介したときも私は何を言われるか気が気でなりませんでしたが 「お前が選んだのなら大丈夫」と自分のことのように喜んでくれましたね。 お酒を飲んで話している2人の姿を見ていてとても幸せでした。

でも..

ここにお父さんがいないことがとても残念です。 私のウエディングドレス姿を見せたかった…バージンロードを一緒に歩いて欲しかった。

…………

泣いている姿を見せたらまたお父さんに叱られるね。きっとお母さんとふたりで上から見守ってくれてると信じています。

私は彼と幸せになります。
絶対になります...
天国まで届くように..

今まで本当にお世話になりました。

No.11

タイトル:ママはスナイパー


ほらほら、 早く行かないと
遅刻するわよー
はーい、行ってらっしゃーい

ふぅー、やっと一段落...
さて...今日の仕事はなんだったかしら?

ん?OK、Mr.SIGMA
聞こえています...
今日のターゲットは、篠崎組の組長の愛人?

ふーん、組の金を持って逃げたと...
場所は分かってるんですか?

ふふっ、流石ですね。
車のナンバーは? はい....はい

いいや、EASYですよ
車だろうが、バイクだろうが私にとって
そんなこと大した問題ではありません。

えぇ...滞りなく...Yes, Sir

えっと、首都高を横浜方面へ向かってて今ここだから...バイクで向かえばここのビルの屋上ね...

んー今回は私の1番の相棒を使うまでもないわね。

着いた。
あと3分ぐらいね。
距離にして1200ってとこかしら

んーと、
あぁ、 来たきた...

ん? 運転してるのって若頭の.....
ふふっ…なるほど、そういうことね...

縁もゆかりも無いけど 悪いわね…仕事だから.

さよなら..

もしもし?私よ。
片付いたわ、あとよろしくね..
ふぅーあれ? なんか忘れてるような...

あ、 今日って...
スーパーのタイムセールの日だ!
急いで帰らないと!

あ、おかえりー
お腹すいたでしょうー
あ! ちょっと 手を先に洗って来なさい!

こっち見なさい...わかったわね?
んーいい子ねー

じゃあ、回れ右、 Go!!

はぁー、こっちの方が
よっぽど疲れるわ

No.12

タイトル:潜入捜査官


はああ、今日も終わった…..
おーお疲れさーん

ん?電話 ?
この番号は...
Yes...Boss俺です。
こんな時間に何のようですか?

定時連絡なら後で......

別件?急用?どんな要件です?
中国マフィアの参謀が日本に?

重要人物と接触すると...
マル秘の特徴は?

銀髪に黒くて丸いサングラス ?
ははっ、いかにもって感じですね。
ほう、左手の小指がないと..
よくこんな情報手に入れましたねー

流石が...Boss...

いやいや、からかってなんかいないですよw
 えぇ、わかってますよ... Yes...sir...

ふぅーまた仕事が増えた...
えーとここから横浜埠頭だと
バイクで1時間ぐらいか...

この辺かな......
おっと…… あぶねぇ....いたいた
ん?あいつは?

Boss?あー俺です
今現着しました..
俺の目が正しければ、会ってるのは
ロシアのNo.2です...えらい大物ですね...

確か名前は...

なっ! まじか...
やりやがった.. あ、すみません...Boss

そのNo.2が今中国の参謀の頭を吹っ飛ばしました。これは結構まずいですよね...

あれは麻薬か...?
一旦戻ります...

はぁぁ.. こりゃあまた家に帰れねぇな
さゆりに今度はなんて言い訳しよう_

No.13

タイトル:お兄ちゃん


明日香お疲れー!
また明日ねー!!

はぁー!今日も部活疲れた一
来月大会だしがんばらないとねー
んーもうお腹空きすぎてもう死にそう...

今日のごはんはなんだろな〜♪

ん? あれはお兄ちゃん?
お兄ちゃ... え?ちょっとまって...
女の子と歩いてる…..

まさか....あ、公園入った
んー、ここは妹として行くべきか…
見なかったことにして帰るべきか…

んー…だめだ!気になる!
こっそりと…ここなら聞こえるかな

あ… お兄ちゃん...告白した!
どうなの?ねー?どうなの?
んー...この沈黙の時間がもどかしい一

え!?ほんとに?やったー!!

あ... 思わず声が...

お兄ちゃん…ごめん...だって2人で歩いてるの見ちゃって気になっちゃってー…

でも良かったじゃん!!
初彼女おめでとう!!

あ... なんかすいません...騒がしくて
妹のゆいと言います!

こんな兄ですがどうぞ末永く
よろしくお願いしゃっす!!!

No.14

タイトル:ジャンヌ・ダルク


私はこの国を守らなければならない
生まれ育ったこの国を

走り回って遊び、 勉学に励んだ
親友(とも)ができ、汗と涙を流した

剣を鍛錬し、強さを得た
戦いを重ね、命の尊さを知った

私はこの国を守らなければならない

この戦いが始まれば
もう帰ってこれないかもしれない

でも私は

親友(とも)のために戦う
家族のために戦う
愛する者のために戦う

私の名はジャンヌ・ダルク

全身全霊を神に捧げる
この命尽きようとも...

No.15

タイトル:心の準備


あ、お母さん?
私…

うんうん…
なんでもない...

元気にしてるかなって思って
そっか…よかった

ん?なんか話したいことあるんでしょ?って
いつもより声低め?

はは...やっぱり気づかれたか
あのさ、実は話があって...

ん... 何よ?って
ちょっとまって...心の準備が...

去年からね
付き合ってる人がいるの
私の事を尊重してくれるし
誠実で優しい人なんだ

だから...その人と...結婚したいと思ってる
だから…だからね...

今度一緒に実家帰ろうかなって...

お母さん…?
泣いてるの?

わかるよ

私だってどれだけお母さんの娘やってると思ってるの?ふふっ...

来週の土曜日いいかな?

うん、わかった..
彼にも伝えておく

そう...だね...
お父さんにも伝えなきゃね..

菊の花買っていくね
うん…お母さんも身体に気をつけて

じゃあ、またね。

No.16

タイトル:静寂に紛れる


なぁ...佐助よ
見えるか?

あそこが戦場(いくさば)だ

徳川との再戦
戦力としては分が悪いが
親方様ためならば死も怖くない

この霧隠才蔵、忍びの技の限りを尽くし
期待に応えよう

不惜身命 (ふしゃくしんみょう)の心でな

なぁ佐助… 猿飛佐助よ
我が同志となってくれ

私とお前が組めばこの世に恐れるものなどない...

さあ...
夜明けだ...

ふふっ
静寂に紛れるぞ...

No.17

タイトル:デート


ねぇ?
ねぇ…?

どうしたの?
ぼーっとして
私な顔に何かついてる?

早くしないと映画、間に合わないよ

もう…どんくさいなぁ
ほら、こうすれば…
はぐれないでしょ?

ふふっ…さぁ、行くよー

No.18

タイトル:刺客


貴様、何者だ
ここは親方様の縄張り
ふらふらと迷い込んだとは言わせぬぞ

私の名は暁
この朱雀門を守護しておる
何人たりともここを通す訳にはいかない

天狗の面とは…あやつの刺客か?

まあいい、刀を抜け
私が相手になってやろう

No.19

タイトル:再会


今日という日を
どんなに待ち望んだことでしょう

夜空に星が降り
天の川の星団が輝く時
貴方は私を迎えに来ます

私は待っています
胸の高鳴りを落ち着かせながら

貴方が私を
包み込んでくれるその時を……

「また…会えましたね」

No.20

タイトル:試練


我がお前の従魔になるだと?

冗談も大概にしろ
お前みたいな小娘に何が出来る

ここまで来れたことは褒めてやろう
だが我がそう簡単に…

ん?その刀は…
もしやお前は櫻間家の人間か

なるほど…
確かに、あやつの面影がある
ここに立つ資格はあるということか

さて、はじめるか
この宝玉を我から奪うこと
それが最後の試練だ

No.21

タイトル:情け


ぐっ…私が負けるなんて
それもこんな男に

いいわ…好きなようにして

…情けをかけるっていうの?
私はいくつもの戦場を生き抜いてきた

今更、死なんて怖くないわ…
覚悟はできてる

え?ちょ、ちょっと待ちなさいよ!

なによそれ…
こんな屈辱…絶対に許さない

今度会ったら…ただじゃおかないわ

No.22

タイトル:別れ


実は…私、死んでるの
そっか、知ってたんだ…

15年前、私はここから飛び降りた
それからずっとこの海を見てる

君がはじめて
私を見つけて話しかけてくれたのは

だから嬉しかったの
ずっとこの時間が続けばいい
そう思ってた

でも、もう終わりみたい…

今までありがとう
また会えたら嬉しいな

No.23

タイトル:任務


んーやっぱりここのコーヒーは美味いな

さてと、本題に入ろうか
今回のターゲットはこいつだ

ほーさすが、察しがいいな
シグナルナンバー6
殺戮のマルファス
そう、お前の父親の仇だ

まあ、気持ちはわかるが
冷静になれ

頭に血が上ってたら
任務は遂行できないぞ

いつも言ってるだろ
ハートは熱く、頭はクールに
ってな

ふふっ…じゃあ、始めるぞ

No.24

タイトル:異能研究者


おー、よく来たな少年
私はここの室長をしている

散らかってて悪いが
テキトーに座ってくれ

あー…たしかそこの本の山の下に
椅子があったな

さてと、奴から聞いているぞ
奇っ怪な異能を使うそうじゃないか?

ん?待て、もしや君の眼は…
なるほど…

ふふふっ…
これはより楽しみになってきたな

No.25

タイトル:セカンドムーン


おー、いたいた
お前がレインか?

ハンターをやってるゼロだ
早速だが行くぞ、着いてこい

あ?どこへ行くって?
それは後のお楽しみってやつだ

あーうるせぇなぁ
あそこだよ、だからあ・そ・こ

『セカンドムーン』
数年前に地球に惑星が近づいてきて大騒ぎになったろ? この世の終わりだってな

あそこにはな
未知の鉱物があるって噂なんだ

お前も研究者なら喉から手が出るほどほしいんじゃないのか?

No.26

タイトル:目覚め

やぁ、起きたかい?
気分はどうだ?

安心しなさい
手術は成功した

移植された心臓はちゃんと動いているよ

ん?私が誰かって?
酷いなぁ…主治医の顔を忘れるとは

まあ、仕方ないか…

早速だが君に伝えなければいけないことがある

君はあの事故からずっと眠っていた
そして、今は西暦2123年だ

ふふっ…言っている意味がわかるかい?
君は100年もの間眠っていたんだよ

何故、生きているのか…
それはこの100年で医療が格段に進歩したからさ

人間は死というものを乗り越えたんだよ

ちなみに私は今年で155歳だ
それも君のおかげだ

まあ、混乱するのもわかる
これからゆっくり新人類の進化の歴史を聞かせてあげよう

No.27

タイトル:妖狐


どうも、お初にお目にかかります
わたくし、空狐と申します

まあ、落ち着いてください
何も取って食おうって訳じゃございません

親方様から貴方をお守りするようにとご依頼がありましてね
馳せ参じたわけでこざいます

妖を初めて見たわけではないでしょう?
貴方の妖力は親方様にも引けを取らないと聞いておりますから

ですから、そんなに、怯えないで頂けますか?

はぁー………
宝の持ち腐れとはこのことだな…

まずはその性根を叩き直しましょうか

No.28

タイトル:幼なじみからの告白


どーしたの?
ぼーっとして?

早く片付けないと
後夜祭はじまっちゃうよ

え?あとで話がある?
うん…わかった

そのかわり私も話があるんだけど
いい?

この前、なんで彼女を振ったの?
せっかく私が取り持ってあげたのに

違う?何が違うのよ

他に好きな奴がいる?
誰よそれ?

私?ふふっ…冗談言ってないで
本当のことを…

え…そ、そんな
いきなり言われても…
気持ちの整理が…

…嫌いなわけないじゃん
私も…好きだよ
子供の頃からずっと…

No.29

タイトル:多重人格


やってないです…
母親を殺したのは僕じゃない

やったのは僕の中の…
うぅぅ…で、出てくるな…
あ"あ"あ"ぁ゛ぁ゛ぁ゛!!!

ふふっ…やっと出てこられた
何を驚いてるんですか?刑事さん

俺が殺ったんですよ、全部

しかし
あのババァのひきつった顔
最高だったな

俺はねぇ
人間の殺される直前の顔が
大好きなんですよ

ふふっ…はははははっ!!!

No.30

タイトル:きんぴかどんぐり

えーっと
今日は何がいいかな

わっ!!びっくりしたなぁ
いきなり声かけるなよぉ

おいらか?
おいらは晩ご飯を探してたんだ
このへんに美味しそうな木の実が…

ん?探し物?
黄金の木の実?

なんだそりゃ
聞いたことも無いなぁ

んー待てよ、それって
きんぴかどんぐりのことかもな

この森に伝わる昔話さ
うちのじいさんが詳しいから
連れてってやるよ

ん?その前になんで人間の言葉が話せるって?

あんたはおいらたちの言葉を話してるよ
ここはそういう場所なんだ
わかってて話しかけたんじゃないのか?

まあ、そのへんも説明してやるから着いてきな

No.31

タイトル:依頼


あぁ…お前か、何の用だ?

ふぅーーー…(煙草の煙をはく)
新しい依頼?

昨日依頼した
赤龍の討伐はどうした?

ん?それは…
ふふっ…どういうことだ?
レッドベリーまでは3日はかかると
思うが

秘密…か
なるほど

さすがはアイツの息子というところか
生意気なところもそっくりだな

まあ、そう急くな
今度の依頼はいくらお前でも手こずるだろうさ

No.32

タイトル:探偵


おっと、そこまでだ

よくもそんな穴だらけの推理を
披露できるな

探偵が聞いて呆れる

私か?私はレイ・ホームズ
君みたいなクズ探偵でも聞いたことはあるだろう?

そう、あのホームズさ

ふふっ…
さぁ、そろそろ真実の扉を開こうか

わたしがこの洋館に巣食う
殺人鬼をあぶりだして見せよう

No.33

タイトル:守護者


残念
貴方にはまだ、早いわ

私?
私はこの聖剣の守護者

私に認められなければ
この剣は使えない

貴方はまだ
私に指一本も触れられない

わかるかしら?
ほら、動けないでしょ?

それが資格がないということよ
出直してきなさい

ふふっ…安心して
私はいつでも相手になってあげるから

No.34

タイトル:阿修羅


よくぞ参った
ここが、阿修羅の間じゃ

あぁ…わかっておる
お前が探してるのはこれだろう?

んーさて、どうするかな
普通にやっても面白くない

そうだなぁ…我は右手一本でいい

ふふっ…舐めてなどおらんぞ
さぁ、早くかかってこい

いくらお前が神童といえど
格の違いというものを教えてやろう

No.35

タイトル:課題


えっと
これはここをコピペして…

って…ねぇ?ねえってば?

何ぼーっとしてんの?
話聞いてる?

せっかく課題手伝って上げてるのに

はぁーー
単位やばいんでしょ?
ちゃんとやんないと…

あ、ここ漢字間違ってる
あの先生こういうところ細かいから
気をつけた方がいいよー

ん?何赤くなってんの?
え?顔が近い?

君…もしかして童貞?
へぇー…ほんとうかなぁ

ふふっ…ごめんごめん
ほら、早く終わらせちゃお

No.36

タイトル:能力


なんだよ、おっさん
俺になんか用か?

何をしてる?
ちっ、しくったか

ふっ…見ての通りさ

普段、上でふんぞり返っている
いけ好かない野郎から金を頂いたんだ

何、見てんだよ

はぁー…わかったよ
返せばいいんだろ

え?そうじゃない?

あーあれね
あれは俺の"能力"さ

んーそれは言えないなぁ

No.37

タイトル:秘書


おはようございます

本日はどのようなご用件でしょうか?

社長…ですか?
申し訳ありません
今、急用で席を外しております

本日は戻られないかと
ご伝言をお預かり致しましょうか?

はい、あー…なるほど
かしこまりました、必ずお伝え致します
気をつけてお帰りくださいませ

社長?帰りましたよ
そんなとこに隠れてないで出てきたらどうですかー?

はぁー
いつも悪いねーじゃないですよ

毎回対応するこちらの身にもなってください
また、奥様にバレても知りませんよ

No.38

タイトル:月


あのー大丈夫ですか?

うわー、靴擦れ痛そうですね
ちょっと待っててください

確かもってたはず…
あ、あったあった

足見せてください
絆創膏、貼っちゃいますね

これで…よしっと

歩けます?
家はこの辺ですか?

あーあのコンビニの近く
なるほど

そしたら私の家も近いんで…

よかったら、どうぞ
いや、歩けないから
しかたないじゃないですか
遠慮せずに、ね?

あ、これもってもらえます?
よしっ…じゃあ、行きますよ

…今日は、星もよく見えるし
月が綺麗ですね

No.39

タイトル:闇に生きる者


忍びとは
闇に生き、影を駆ける者
存在を悟られてはならない

感情を殺し
ただ、着実に任務を遂行すること
それが忍びの掟

だが…
お前だけは、許さない

"憎悪"を持ってお前を殺す

そうだ…
これが私の最後の任務だ

No.40

タイトル:神


ん?
どうしたの?

何か悩んでる?
あーそれ難しいよね

ちょっとしたコツがあってね
ここをこうして
あれをこっちに持ってくると
ほら、完成

あ、あとね
大気とか食べ物とか
生存環境を整えてから
人間は造らなきゃだめだよ

え?何かあったか?
あーまぁね…
あれは思い出したくない

そりゃあ
神様だって間違うことはあるさ

ほらほら
手を動かす

あと、1億年しかないんだから
ノルマが終わらなきゃ
徹夜だよ

さて、続きを
って……またバグかよ

No.41

タイトル:探偵


さぁ、決着をつけようじゃないか

私はわかっていたんだ
十年前から君がここ来ることはね

あの日、机に置かれていた暗号は
この場所を示していた
そして、何時なのかも

逃げ切れる自信があったんだろう?
私にはこの暗号が解けないと

ふふっ…
なめてもらっちゃあ困るな

怪盗バロン
君の物語はここで終焉を迎える

それは最初から決まっていたんだよ

私の…シナリオ通りさ

No.42

タイトル:2月14日


あと少しの勇気が欲しかった

子供の頃から
いつも隣にいてくれたアイツに
私の気持ちを伝えるために

改まって伝えるのは恥ずかしいけど
今日なら言える

正直な言葉にチョコを添えて

「いつもありがとう…これ」
「あとさ…伝えたいことがあるの…」

2月の外気はまだ冷たく
見上げた空は青く澄みきってきた

No.43

タイトル:組長の息子


おい?ガキ
そこで何してる?
 
人を待ってる…誰をだ?
あ?言えないだぁ?

ガキの癖に生意気だなぁ
ここはなぁ、篠崎組の縄張りだ

そして俺はそこの幹部
あんまり調子乗ってると…って

く、組長!?
どうしてこんなところに

いや…このガキが人を待ってるっていうんですが口を割らないんで焼きを入れようと

え?今なんと?
く、組長の息子…さん?

えぇぇぇぇ!!!?
っていうことは5代目ということに


いやいやいやいや
冗談ですよ
可愛らしいから話しを聞いてたんです

な…お前、余計なこと言うな
黙ってろ

え?別になんでもありませんよ

わかりました
私が責任をもってご案内します

はぁーー
お前なぁ
組長の息子だったら早くそう言えよ
危うく俺が焼き入れられるとこだったじゃねぇか

No.44

タイトル:閉館アナウンス


本日はご来館頂きまして
誠にありがとうございます

あと、15分ほどで閉館いたします

お忘れ物など無きようお気をつけくださいませ

また
ここ黄昏百貨店は本日をもって
50年という歴史に幕を閉じます

半世紀にわたり
ご利用くださった一人一人のお客様に御礼を申し上げます

人生の節目の時に少しでも
お客様のお力になれていたならば従業員一同大変嬉しく思います

"たとえ一期一会だとしても
目の前のお客様に最善を尽くす"
それが創業者藤崎菊次郎の残した言葉でした

この言葉をもって幕引きとさせていただきます

重ねてになりますが
ご来館頂きまして誠にありがとうございます

お気をつけておかえり下さいませ

No.45

タイトル:『おはよう、世界』


『おはよう、世界』

今ここに生まれた一粒の雫

君はどんなものにもなれるし

どこへでも行くことができる

創造主たる私が造ったのだからね

これから世界がどうなるかは

君にかかっている

ゆっくりと考えなさい
思考を止めてはいけない

君の考えが
君の発想が

この世界を成長させていくんだ

どんな世界になるのか楽しみにしているよ

もう一度言おう

よく目覚めてくれたね

『おはよう、世界』

No.46

タイトル:良い夢を


ご主人様
何か御用でしょうか?

え?
またあれをするのですか?
私、恥ずかしいです…

命令…ですか?
わかりました

はぁーー
じゃあ、そこに座れ
顔をあげて、歯を食いしばれ

いくぞ?

おらぁ!
おらぁ!!
おらぉ!!!

何ニヤけてんだよ
このド変態が!!
毎日こんなことやらせんじゃねぇ!!

このゴミ虫が!!

ふぅーー
これでよろしいでしょうか?

満足ですか?
ならよかったです

No.47

タイトル:仕事の先輩


お疲れ
だいたい片付いたか? 

そっか…

初日は何かと大変だろう?

大丈夫?
ほんとか?

ふふっ…あんま無理すんなよ

弱音を吐くことは別に恥ずかしいことじゃない

人間は感情があるんだ
もしいつも誰に対しても明るい奴がいたらそいつはペテン師か…もうすでに壊れてる

そういう感情は吐き出さなきゃいけない

まあ、吐き出し方を間違えたらいけないが…

お前には私がいるだろう?

いつでもぶつけて来い
いくらでも聞いてやる

(タバコを吹かす)

何ボーッとしてんだ?
ほら、さっさと終わらせちまうぞ

No.48

タイトル:怪盗


” 今日と明日の狭間の時に
    風間財閥の秘宝
    ブラック・ベリーを頂戴する

                     怪盗 ACT(アクト)"


ほう、今日は赤いランプが多いな

ふふっ…東京の夜がいつもより妖しく光っておるわ

さてと、そろそろか
私の戯曲が始まれば途中で止めることはできない

誰一人な…

よっと…定刻まで…5,4,3,2,1…ゼロ

さぁ…ショーの開演だ

No.49

タイトル:一日執事


奥様
おはようございます

本日のスケジュールをお伝えしてもよろしいでしょうか? 

はい…では

本日は10時からショッピングモールへお買い物

12時からはともだ…ご友人のさおり様とランチ

16時からはみかちゃ…お嬢様のみか様と映画をご鑑賞

19時からジュナサンでご夕食

21時に帰宅

と、このようになっております…

お、奥様もうお出かけに?
ちょっと待ってください!!
え!?私も一緒にですか!? 

…ってかもうこんぐらいで勘弁してくれないかなぁ

いや?  はぁぁ
マジで、この格好で外はキツイでしょう
暑いし、周りの目が…
ちなみになんでこんな服もってるの? 白手袋まで…

え?カッコイイ?似合ってる?
そういうことじゃなくってさぁ…

もう、許してくれない?
昨日のことはマジで謝るからさぁ…

どうしても? 今日は一日私の執事?
はいはい…  わかりましたー…

な…はい!承知したしました!
どこへでもお供いたします…
なんなりとお申し付けください…泣

No.50

タイトル:銀河特急


あの星が見えますか?

北斗七星の3個となりあそこが目的地になります

アルファルドという星ですね

この銀河特急ベテルギウスは
天の川を渡り、春の大三角形を越えて行きます

その先がアルファルドになります

今日はよく晴れておりますし大気圏を過ぎますと邪魔なものはなくなりますので美しい星々がご覧になれますよ。

今回はご旅行ですか?
新婚旅行?
それはそれは、おめでとうございます

あ、申し遅れました。
私車掌のスピカと申します。

なにかお困りのことがございましたらなんなりとお申し付けください

もうすぐ出発のベルが鳴ります
お席でお待ちください

良い旅になりますよう
お祈りしております

No.51

タイトル:新人


おー、新人
初日から遅刻とはいい度胸だな
しかも階段ですっ転ぶとは派手な登場だこと…

俺はなぁ
てめぇの教育係を仰せつかってる

それが何を意味するがわかるか?
お前の行動が俺の査定にも響くんだよ

はぁ、なんだ、その覇気のない返事は
ちっ…またハズレを引いちまったか

あ? なんでもねぇよ
さっさと起きろ
もうミーティングは始まってる

お前も知ってるだろ?
セントラルシティであった爆弾魔の件だ

最初から運がいいのか悪いのか
俺の刑事の勘言ってる

これはかなりでかい山だ
ふふっ…楽しみになってきたなぁ

No.52

タイトル:ダチ


先輩、背たかいっすねー

え?いいえ、別に文句があるとかじゃありませんよ

あいつ、俺のダチなんです
見逃してもらえませんかね?

ははっ、まあそうなりますよねー

話なんか通じないか
めんどくさいけどしょうがない

1、2、3、4…5人だから
一人5秒だな

んー、ふぅー
(伸びと深呼吸)

さて、始めますか

No.53

タイトル:向日葵


「その笑顔に惚れたんだ」
僕は空に呟いた

向日葵は太陽に向かって咲く
君は僕の憧れだった

どんなときも真っ直ぐ前を向いて
いたから

でも

「なんで笑ってんだよ」

それが君に最後に言った言葉だった

項垂れた僕を救ってくれようとしたのに

運命とは残酷なもの
その通りだと思う

一面に咲く向日葵は今日も太陽に向かって咲く

僕は膝から崩れ落ち、激しく泣いた

No.54

タイトル:バディ


ねぇ?
貴方が新入り?

誰って
貴方のバディよ
ちゃんと資料見なさい

ほら、ここ
ID46578、シルファ・フィオーネ
私の名前よ

まずは貴方とシンクロしないと
ほら、額をつけて

何って
生体情報とかマイクロチップのデータを共有するのよ

何? 恥ずかしいの?

はぁー
こんなので躊躇しててちゃんと戦えるのかしら

ふーん…
アカデミーで首席…

だとしても訓練とは違う
実戦を甘く見ない事ね

No.55

タイトル:神


ん?
お主、私が見えるのか?

ほぉー珍しい
人間と話すのは何百年ぶりじゃろうなぁ

私はここで祀られてる神じゃ

何?子供?

ふふっ
まあ、そう思うのも仕方がないが
これでもお主の何十倍も生きておるのじゃ

しかし、この世の中も変わったものじゃのう
まあ、変わらないものもあるが…

それで、ここに来るということは
何か願い事があったのではないのか?

話してみるのじゃ

No.56

タイトル:探偵


初めまして
私、こちらで探偵をしております
九十九(つくも)と申します

今回はどういったご要件でしょうか?
言いづらい?

まあ、私も探偵という商いをしておりますから
今まで様々な依頼を受けてきました
経験は豊富であることは自負しておりますので遠慮なくお話ください

人探し、なるほど、写真拝見いたします
お姉様ですか、美しい方ですね

ん?今なんと?
去年亡くなった?目の前で交通事故?

えっと…人探しとおっしゃいましたよね?
いったいどういう…

先週、街中でお姉様を見かけた?それで目が合ったと
なるほど…そういうことですか

え?あぁ、信じますよ
貴方が嘘をつくような人とは思えないし
精神疾患を患っているわけでもなさそうだ

これはここだけの話ですがこういう依頼もたまにあるんですよ
私はあちらの方にも知人がいましてね

もしかしたらお姉様は何か貴方に伝えようとしたのかもしれない

ふふっ…それはまたご説明いたします

ひとまず
この依頼お受けいたします

この私におまかせを

No.57

タイトル:幼なじみ


ねぇ?
なんで着いてくるの?

同じ学校だからって
並んで歩いてたら変に思われるでしょ

私は学校では真面目な生徒会長なの

あんたみたいなヤンキーとは
住む世界が違うのよ

なっ…それは言わない約束でしょ!!

貴方と私は赤の他人
わかった?
わかったわね!?

はぁー
本当に大丈夫かしら
先が思いやられるわ

No.58

タイトル:紅い雨


殿下
話の無駄です
私がいきましょう

いいえ
一人で十分です
必ず彼奴の首をお持ちいたします

御意

さて、我が剣もそろそろ
血を欲していたところだ

久々に紅い雨を拝みたいものだな

No.59

タイトル:幽世


目が覚めた?

ここは幽世(かくりよ)の始まり
終礼(しゅうれい)門の前よ

まずこの面をつけて
そのままだと神様達に気づかれてしまう

いいから
細かい説明はあとでするわ

私は紅、
貴方を賽神(さいしん)門まで案内する

・・・悪いんだけど
その問いには答えられない

動揺するのはわかる
けど落ち着いて
心の揺らぎは面の色に出てしまうから

ほら、手を握って
さぁ、行くわよ

No.60

タイトル:旧型アンドロイド


あぁ、今やってる
インターフェースは後どのくらいだ?

わかった
セキュリティの面も再度チェックしておいてくれ

あと、クライアントから要望があったあの件だが…

ん?あぁ、悪いまた連絡する

起きたか?
ここは俺のプライベートオフィスだ

お前、扉の前でバッテリー切れで倒れてたんだぞ

サーバーとの回線がオフラインになってたからUSB接続で再起動した

しかしお前、旧型のアンドロイドだろう?

俺も実物は初めて見た
お前はどこから来たんだ?

記憶がないのか?
そうか…CPUになんらかのウィルスが入ったログがあったからその影響だろうな

ん?なんだこれは…
いや、お前の記憶に1件だけデータが残っていた

このマークは…政府機密の…

ふふっ…
もしかしたら俺はとんでもないモノを拾ったのかもしれないな


No.61

タイトル:鬼


お足元の悪い中
ご足労頂きありがとうございます

旦那様は本館でお待ちになっていますのでご案内させて頂きます
こちらは初めてでいらっしゃいますか?
そうですか…

この八雲邸は数百年の歴史がある建物
でして立てられたのは平安時代…

え?この角ですか?
なるほど、貴方は"視える方"なのですね
旦那様がお認めになるのも頷けます

私共は平安時代から続く百鬼族の末裔であり私は半鬼、言葉通り半分鬼の血が流れております

角が視えるということは貴方様が多少なりとも妖力お持ちである証拠です

妖力は生まれつき授かる方もいますが後天的に力が生まれる方もいらっしゃいます

しかし、自身が認知しなければ
使うことはできません
宝の持ち腐れというべきでしょうか

ふふっ…旦那様とお会い出来たのは幸運でしたね

さて、お話が長くなってしまいました

こちらへどうぞ
お足元お気をつけくださいませ

No.62

タイトル:桜花


珍しい
此処に人の子が来るとは

お前は……
そうか、黒蝶が導いてきたか

此処は桜花の回廊
この先はお前の進むべき道へと繋がっている

何に志を持ち
どこへ向かうのか
それはお前にしかわからない

前をしかと見据え、歩いていくがいい
さすれば道は開かれよう

盲目なお前が光を見る時も
きっと来るだろう
導き手を頼ることだ
頼るというのは心疚しい事では無いからな

さぁ、そろそろ時が来る
いきなさい

お前だからこそ見える世界があることを
忘れないようにな

No.63

タイトル:魔法使いの卵


ねぇ、貴方その帽子
もしかして、魔法学校の新入生?

やっぱり!?奇遇ね!私もなの!!

あーよかったー!
なんだか新しい学校って緊張しちゃって一人だと心細かったのよね

あ、ごめんなさい
私はサキ・カグラザカよ
東にある国から来たの、貴方は?

え?それって…大魔法使いウェイン様がいた国よね?
え!!ウェイン様のひ孫さん!?

そりゃあ、驚くわよ
伝説級の魔法使いだし、知らない人なんていないわ

魔竜デオミルゴスを倒した話なんて、
子供の頃耳がタコになるほど聞いたし

でもよかった、貴方に会えて
だって学校生活が楽しくなりそうだもの

あ、いけない鐘がなってる、急がないと

そうだ、学校まで競争する?
ふふっ…そうこなくっちゃ
さぁ、行くわよ

No.64

タイトル:解析者


え?あぁ、帰ってきたんですか
差し入れ?あーどうもー

で?どうだったんです?
いい感じに撮れました?

早く、SDカード
えーっとファイルを開いてと

は?こいつって高藤じゃないっすか

篠崎組のナンバー2がなんで
近藤なんかと

国会議員とヤクザの幹部なんて
どう転んだってやばいですよ

ん?何か渡してますね
これを?解析?
あー夜ですしズームで撮ってるから解像度がなぁ

え?無理?
何言ってるんですか?
ボクにかかればこんなの朝飯前ですよ

ちょっと面倒だなーって思っただけです

え?明日まで!?
ちょ、ちょっとまって…

はぁーあ
相変わらず人使い荒いんだから

まあ、いいや
片付いたら奢ってもらうとして
ちゃっちゃと片付けちゃいますか

No.65

タイトル:怪獣


あの、すみません
少しよろしいでしょうか?

あ、ちょっと
聞こえてますよね?

お手間取らせませんから
ありがとうございます

貴方、さっき私と目が合いましたよね?  横断歩道の向かい側にいたんですよ

あぁ、やっぱりそうですか
いやー私が見える方に久しぶりにお会いしまして嬉しくてつい

そうだ、すみません
私、怪獣と申します

そうですそうです
その怪獣です

名前がまだないのでややこしいかもしれませんが

あー名前はですね
人間に名付けてもらわないといけないんですよ

はい、怪獣界のルールでして…
え?あぁ、ご存知なかったですか

でですね
折り入ってお願いがありまして…
私の名付け親になっては頂けませんでしょうか

あーわかります
急に言われても困りますよね

でも怪獣というのは名前があって初めて一人前になれるんです

貴方は怪獣が見えて、話すことができる、しかも触れる
これってほんとに貴重なんですよ

だから、お願いします!
私を助けると思って!

ほ、本当ですか?
あー良かったー
お優しい方で安心しました

これで契約成立です
え、だから私と貴方との主従契約ですよ

とりあえずいろいろ話さないといけないこともありますしご自宅にお邪魔してもよろしいですか?

No.66

タイトル:旅は道連れ


ん?なんだ、にいちゃん?じろじろ見て

あー、もしかして
ゴブリン初対面って感じか?

ははっ、そうかそうか
でもな、おいらはそこらへんの野良ゴブリンとは違う

ハイゴブリンってやつだ

何が違う?
こうやってにいちゃんと会話が出来てるだろ?そこが大きな違いだ
野良だったらすぐ襲われてるぞ

にいちゃんは冒険者か?え?竜神の谷に?
おいらと一緒じゃねぇか

旅の目的?あーあるものを探しててな
本当にあるかもわかんねぇんだけど…

そっちはどうなんだ?

天空神殿?
あの物語に出てくる伝説の?
そりゃあまた、雲をつかむような話だな

ふふっ
お互い似たもの同士ってことか

あの…なんだ
にいちゃんが良かったらおいらと一緒に旅をしねぇか?
なんか、気が合うような気がしてさ
方向も同じみたいだしな

ほんとか?
はははっ、そんなこと気にすんなって
昔から旅は道連れって言うだろ?

No.67

タイトル:とんでもねぇ新人


あ?てめぇが新入りか?
ゾンビ歴3年だってな?

俺は10年だ
ははっ、ブラッド先輩と呼べ

ってかこんなひょろひょろがよくウチのチームに入れたな

お前は何が出来るんだ?
足が早い?それだけか?

ふーん、そんなに自信があるのか
じゃあ、駅前のパン屋であんぱん買ってこいよ

俺は好きなんだよ、あそこのあんぱ……
は? いねぇ、どこいったあいつ

どぅわぉ!!!
びっくりすんな!いきなり現れんなよ!!

は?あんぱん買ってきた?
冗談言うな普通に走ったって5分はかかるぞ、1分もたってねぇじゃねぇか

元から買ってあったんだろ?
あ?何?触ってみろ?
温かいな…レシート?

あー、わかったよ
お前の速さが尋常じゃねぇのはな

俺か?まあ、それなりにな
き、今日は調子が悪いから
また今度相手してやる

さぁ、そろそろ行くぞ
頭が待ってる

はぁーあ、またとんでもねぇ新人が入ってきやがった…

あ? なんでもねぇよ!!

No.68

タイトル:ターゲット


あ、俺、駅こっちだから
おー、また誘ってくれよ、じゃあなー

ははっ…懐かしかったなぁ
山田の奴何にも変わってねぇの
しかし、佐藤さん綺麗になってたなぁ

子供二人もいるとは思えねぇわ
さてと、どうすっかなーちょっと飲み足りないから
最寄りの居酒屋でも行く…ん?電話?

あー、はい、ボス、俺です
はい、接触しましたよ

佐藤香緒里、30歳、旦那、子供2人の4人家族
旦那はー、一般的なサラリーマンですね、
特に怪しいところは無さそうです

彼女も気さくで優しい奥さんって感じでしたよ

本当に会社の金を横領したんですか?
…なるほど、証拠はあると…

はい、連絡先は交換しましたし
今度家に呼ばれてるんで引き続き調査を続けます

はい、了解しましたー

はぁー…初恋の相手がターゲットになるとは
世間も狭いもんだなぁ

まあ…どんな相手だろうが仕事はちゃんとしますけどね

No.69

タイトル:雨宿り


お待たせしました
こちら、カフェラテです

雨、災難でしたね
よかったらこちらお使いください

お仕事ですか?
なるほど、外回り
それは大変ですね、お疲れ様です

つかの間の時間かもしれませんが
ごゆっくりとお過ごしください

はい、なんでしょう?
…ここは開いてから半世紀ほど経ちますね

前は私も客だったんですよ
お客様と同じく雨に降られた時
こちらの店を見つけましてね

内装や雰囲気が気に入って一目で好きになってしまいました
そして、先代のマスターに頼み込んで今、ここで働いているわけです

人生、何があるか分かりませんね

ここは不思議と"雨宿り"をする方が多くいらっしゃいます

それは言葉の通りの意味もありますし人生の中で
雨に降られてしまった方が来られるということでもあります

失礼でなければ
お客様もその一人ではないでしょうか?

こちらから詳しくはお聞きしません
ですがお客様の話はお聴きします

それがこの店のマスターのもう一つの仕事ですから

No.70

タイトル:皇帝


あのー少しよろしいでしょうか?
いや、こっちです、下、下

あーそりゃあ、驚きますよね
こんな都心にペンギンがいたら

え?人間の言葉?あーそっか、そっちかぁ

でもすみません
説明してる時間がなくて…

最近この辺で皇帝ペンギンを見なかったでしょうか?
私、王様ペンギンのアルクと申しまして…見ていないですか…

んーこっち方面に飛んで行ったと思ったんだけどなぁ
まったく、あの方は…

あ、すみません
ありがとうございました

え?なんで探してるか?
あー私の国の皇帝なんですよ
名前の通り

いつも目を離すとどこかに飛んで行ってしまって
ほとほと困っているんです

しかも今回はこっちの世界…あ、いや、なんでもないです

えっと、北はどっちでしたっけ
あーあっち

えーっといい風は吹いてるし
途中で上昇気流を捕まえれば大丈夫かな…

すみません
お時間頂きありがとうございました

それでは、私はこれで

No.71

タイトル:真実の扉


皆様、ようこそお越しくださいました
私、この館の主の代理人をしております

皆様にはこれからこの館の謎を解いていただきます

その謎とは…『真実の扉はどれか』
でございます

お分かりの通り皆様の前には上下左右扉が並んでございます
その数、百八つ

その中の一つにこの館の先祖が残したとされる秘宝が隠されています
そちらを探し当てて頂きたいのです

手がかりは四神が描かれている天井絵です

これまで幾人もの名手達がこの謎に挑みましたが探し当てた方はいません

ちなみに謎を解かなければこの部屋から出ることはできません
そして、間違った扉に手をかけると奈落に落とされます

それは何を意味するか
皆様であればわかりますよね?

ご健勝をお祈りしております
それでは

No.72

タイトル:魔導書店


いらっしゃいませ
ようこそ、魔導書店ラグナロクへ

お客様は初めてでいらっしゃいますか?
それはそれはご来店ありがとうございます

こちらは魔導書を中心に幅広い品を揃えております

1階は入門的な魔導書や世界地図など
2階は中級魔導書とマジックノート
3階は上級魔導書また禁書庫がございます

2階まではどなたでもご覧になれますが
3階からはAランク以上の方のみとさせて頂いております

本日はどのようなものをお探しでしょうか?

上級の魔導書それもこれは禁書庫のものですね
失礼ですがギルドカードを確認してもよろしいでしょうか?

Sランク…これはあの有名なクランの…
貴方様にお越しいただけるとは…

も、申し訳ありません
取り乱してしまいました

3階になります
ご案内いたしますのでこちらへどうぞ

No.73

タイトル:烏天狗


おっと、そこまでだ
お嬢ちゃん

ここからはうちらの縄張り
通行手形がなけりゃ通すことはできねえ

ん?俺か?
俺は烏天狗の黒ってもんだ
主に国境の警備やお嬢ちゃんみたいな迷い人に
声掛けたりなんかしてる

え?迷ったわけじゃない?
そんじゃあ、何かのっぴきならない理由があるっていうのか?

ってかおい
その腰につけてるの通行手形じゃねぇか?
ん?それって赤札…
お前何もんだ?
どっから来た?

え?ちょ、ちょっと泣くなって
別に怒ってねぇから
顔が怖い?

あーーわかったわかった
通してやるから
まずは御館様に事情を聞いてもらえ

No.74

タイトル:祠


あの祠を壊した?君が?

そうか、もうそんな時期か…

祠は君が壊したのは確かだが
それは千年前から決まっていたことなんだ

あそこに封印されていたのは神獣だ
君の妖力により蘇ったんだよ

それが何を意味するか
君が『紐解者』(ひもとくもの)だからさ

私はここの社に祀られてる神だ
何を隠そう私が千年前の『紐解者』だからね

混乱するのもわかる
続きは"向こう"の世界で話そうか

さぁ、私の手を取りなさい

No.75

タイトル:小さな店主


あれ?お客さん?
ちょっとまってね、今、おじいちゃん呼ぶから

おじいちゃーん!おじいちゃーん!お客さん来たよー!
んーまた倉庫で寝ちゃってるのかなぁ

ん?僕?僕はここでおじいちゃんのお手伝いをしてるんだ
お兄ちゃんは何か探しに来たの?薬学の本? 

それだったらあそこの2段目の棚にあるよ
その下が薬草とか植物の図鑑ね
え?うん、暇な時読んでるからね

べ、別にすごくないよ
生まれた時からいるからもう大体は読んじゃったんだ

うん、本は大好き
大っきくなったら世界中の本を探す旅に出るのが夢なんだ
おじいちゃんには危ないからダメって言われてるんだけどね

え?お兄ちゃん旅してる人なの?いいなー…

あ、そうだよー!お客さん待ってるから早くー!
おじいちゃんもう来るから待っててね

あと…お願いがあるんだけどさ
後で旅のお話聞かせてくれる?

ほんと!?
ありがとう!!

No.76

タイトル:相棒


やっと見つけた
君を探すのに苦労したんだからな

私は…君の相棒だ
んー、いちから説明するには
ちょっとややこしいんだ

詳しくはここを出たら話そう

とにかく私たちは一心同体
赤ん坊から墓場まで一緒だ

まあ、今の君に言っても分からないと思うが

さぁ、そろそろ出口だ
君にとっては"始まり"というべきかな

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