【セリフお題①】

No.1

タイトル:帰ってきた最悪


あ、すいません

まだ準備中なんで……
ってお前かよ

どうしたんだよ
こんな時間に

急用?
またろくでもねぇこと
言うんじゃねーぞ

で、要件ってなんだよ
早く言えよ

何寝てんだ……って
な…これ、血か?

おい!
おい!!
誰にやられた!?

何?烏(からす)?
マジ…かよ

烏って…
もしかして、アイツが
戻ってきたってことか?

No.2

タイトル:探偵と助手


君はスイカは何色だと思う?
そうか...

しかし、実際外見はどうだ?緑じゃないか?

人の認識とはあやふやなものだ
無意識に先入観をもってしまう

瞬間に見た記憶は時間が経つと
経験記憶と混在する

だから
目撃者の証言が食い違っていたのさ

事件の真相は思わぬところから
紐解かれる...

今回はいい勉強になったんじゃないか?
私のワトスン君

ふふつ
レポートを楽しみにしているよ

それでは、行こうか
次はメインディッシュだ

No.3

タイトル:不運買取り人


こんにちは

あぁ、失礼しました
わたくし、こういうものです

ん?これですか?

今、時間を止めているので
ご心配なく

あー、えーっと…上を見てください
はい、鉄骨です

貴方は私が関与しなければ死んでました

私はそこにも記載のあるとおり
"不運買取人"という商いをしております

貴方は生まれた頃から
不運でしたよね?

今まで生きていたのが不思議なくらいだ

それで"上から"お達しがありましてね
私が委託された訳です

文字通り貴方の不運を
買い取らせて頂きます

1不運が100円ですので
貴方は....5億6千万ほどでしょうか?

ふふつ
私に出会えてよかったですね

貴方のこれからの人生に
"幸運”が訪れますように…

No.4

タイトル:メイド


あ、 ご主人様
お帰りなさいませー

え? 何をしてるか?
ご主人様の椅子に座っています

なぜ?
なんか全てがめんどくさくなりまして
気づいたらここに

あ、お夕飯はあそこにあるので
チンしてください

あと、お風呂は自分で沸かして貰えますか?
ボタン一つなんですからそれぐらい
やってください

何ですか?今度は?
明日の予定?

はぁー、 いちいちめんどくせぇな
スケジュールぐらい自分で把握しとけよ

No.5

タイトル:鬼の召喚


まぁ、見ておれ
鬼を召喚するとはこういう事だ

まず深淵 (しんえん) の印 (いん) を結び
次に呪縛の印を解く

そして
鬼神 (きしん)と契約の印を繋ぐのだ

どんな鬼が出るかは..

ふふつ
お前の力量次第だ

No.6

タイトル:事件の真相


んーなるほどなぁ
報告ご苦労

ということはこの線は消えたか..

ん? あぁ…
大体は絞れてきたが
物的証拠がまだ見つかってない

はぁー
悪いが犯人とこいつの関係性を
もう一度洗って...

いや、待てよ
あいつの証言って...

そういうことか

ふふっ
これは一杯食わされたかもな

ん?
やっとわかったんだよ
真犯人の正体がな

No.7

タイトル:隊長


ん?
誰だ?お前は?

あーお前が新人の…
隊長の相楽 (さがら) だ

なんだ?その手は?
握手?

私は馴れ合いは嫌いだ
認められたいなら力を示せ
それ以外に私は興味は無い

それに
ここは弱肉強食の世界だ
少しでも気を抜いてると喰われるぞ

ふふっ…面白い
口だけは達者だな

ここまで来てみろ

そのときは
手を交わしてやるさ

No.8

タイトル:学園の縄張り


ごきげんよう

貴方、 なぜここに呼ばれたのか
理解してます?

ふふっ
そうでしょうね

ノーテンキで低レベルの
言葉しか発していない貴方に
わかる訳ありませんよね

ここは
私の縄張りです

その意味を
これから教えてあげましょう

No.9

タイトル:妖の長


ん?
なんだ?小童(こわっぱ ) 私に何か用か?

私を…倒しにきた?
ふふふっ…ははははははっ!!

その小さななりで何が出来るというのだ
私はこれでも妖(あやかし)の長だぞ
小童に負けるはずがなかろう

何? 私を倒さないと父親が死ぬ?
それはまたけったいな話だな

あー泣くな、泣くな

分かった...
私が見えるということは
少しは妖力があるのだろうな

社 (やしろ) へ入れ
詳しく話を聞いてやろう

No.10

タイトル:怪盗リリー


これでよしっと...

あれ?
お兄さん起きちゃった?

身体丈夫だねー

ん?私?
私は怪盗リリー

悪いお兄さん達から
“宝物”を盗みに来たの

誰からの依頼?
それは言えないなぁ

あと、 言っても意味無いし
んー? だってあと10秒でここは
木っ端微塵に無くなっちゃうから

ふふっ…
じゃあねー

お兄さん

No.11

タイトル:さぁ、捕まって


さぁ、捕まって

動揺するのもわかるけど
今は時間がないの

説明はあとでちゃんとするわ
まずはここを出ないと

安心して
私は貴方の味方よ

ほら、手を握って

No.12

タイトル:実戦


何見てんのよ?
殺すわよ

ボケっと突っ立ってないで
早く術式を広げる

はぁー
こんな初歩的なことも
わからないなんてあんた本当にエリートなの?

ふふっ
首席が聞いて呆れるわね

は?
現場に出たこともないひよっ子が
調子乗ってんじゃねぇよ

もういいわ
私がやる
貴方はそこで見てなさい

実戦というものを教えてあげるわ

No.13

タイトル:文化祭


いらっしゃいませ
ご主人様♡

何名さm……
ってお兄ちゃん!?

なんで来たの?
来ないでって言ったじゃん

恥ずかしいから帰ってよ
え?お客様を帰すのか?

んーもー
絶対面白がってるでしょ

一名様、こちらへどうぞ…
ご注文は何になさいますか?

オムライスを一つ…あと
え…それは…ダメ

だから嫌っていってるでしょ!
絶対にやらないから!!

No.14

タイトル:煙草


俺はヘビースモーカーだ

最近は喫煙者に厳しい世の中になっちまったが
止める気はない

店の隅に追いやられようが
税金が上がろうが関係ない

なぜ? ふっ…愚問だな
俺にとってはなトリガーみたいなものだ…

あ?よくわかんねぇ?
んー…なんていうかなぁ

あ、そろそろ時間だな
車回してこい

いいから、早くしろ

ふぅー……今日は…美味いな
さて、吉と出るか凶と出るか

No.15

タイトル:猫の使い魔


あ、こんばんは

ご主人様、お客様ですよ

ほら、しっかりしてください
また夜遅くまで本を読んでたんですか?

とりあえず
顔、洗ってきてください

すみません
そこの椅子に掛けてお待ちください

申し遅れました
私、魔導師ライナスの使い魔
ノノと申します

え?変わった名前?
あーそうですよね
初代の使い魔がナナって言うんです

そして、私が5代目
わかります?
そうです、テキトーでしょ?

基本的にやる気がない人ですからね
ちゃんとすれば優秀なんですけど…

でも…今回は大丈夫そうです

なぜ?ふふっ…
貴方が綺麗な方だからです

ほら、来ましたよ
ね、単純でしょ?

No.16

タイトル:忘れてはいけない記憶


ふふっ

今のはね
貴方の記憶を貰ったの

安心してあとでちゃんと返すから

んーこの人ね
貴方の両親を殺したのは

この足首のアザって…
あーなるほどね

さぁ、会いに行くわよ

誰って…
両親が殺される前の貴方によ

No.17

タイトル:神殺し


は?
舐めてんのかよ

俺に頼むってことは
それ相応の対価がいるってのは
あんたも分かってるだろう?

"神殺し"ってのは
結構ヘビーなんだぜ?

ん?
あぁ…あるよ

だから俺は"神の名"を持ってるのさ

ふふっ…
そう、"ロキ"とは邪神の名前だ…

No.18

タイトル:久しぶりのデート


え?
そう、今日美容室いって来たの

よく気づいたね
普段気づかないのに

そうよ
髪型変えても新しい服きても
全然気づかないじゃん

似合ってる?
ふふっ…ありがと

あ、今日さ
おかあさん来てくれるから
久しぶりに2人でデート行かない?

あそこのイルミネーション今日からだって

なに?
もしかして照れてんの?

ふふっ
ほらほら、そうと決まったら

準備しよっ

No.19

タイトル:休日の朝


おはよう

よく眠れた?

コーヒー入れたけどミルクいる?
じゃあ、はい

今日も朝から寒いね…
朝ごはん何にしようかな

え?
作ってくれるの?
どういう風の吹き回し?
何か企んでる?

ふふっ…冗談よ
手伝おっか?

わかった
じゃあ、お任せします

ん?
あーじゃあ…
スクランブルエッグで

ありがと

No.20

タイトル:先輩と後輩


(会社のビルの屋上)
はぁー

ん?
あ、高橋くんどうしたの?

タバコ?
ちゃんと喫煙所で吸わなきゃダメじゃない

え、これ私に?
ありがとう…

これ好きなのよく知ってたね

私?
仕事で久しぶりにミスっちゃってさ…

元々は取引先が悪いんだけど
そういうわけにいかないじゃない?

リカバリーしてそこまで
大事(おおごと)にはならなかったんだけどね

だから気分転換に風にあたってたってわけ

あのさ…タバコ1本くれない?
いや、なんか吸いたくなって

前は吸ってたの
当時の彼がタバコが嫌いでやめたんだけど

ありがと…(タバコを吸う)
ゴホッゴホッ…

はぁーやっぱり久しぶりだとだめね

ふふっ
でも懐かしい味…

そういえば高橋くん
彼女いるの?

え、いない?
モテそうなのに…

あーでもあんまりそういうのに
興味なさそうだもんね

わかるよー
なんかそういう雰囲気あるし

…どういう子が好きなの?
って電話?

部長からか…
うん、わかった

お疲れー

はぁー
風が気持ちいい…

もう少し
話したかったな…

No.21

タイトル:残業


部長の野郎
珍しく昼メシ奢ってくれたと思ったら
こういうことかよ

昼メシだけじゃ足りねぇつーの

はぁーあ…ってあれ?
先輩、どうしたんですか?

お昼、今日はデートだから定時で帰る
みたいなこと言ってたじゃないですか

デートは終わった?
あーえーっと…なるほどな(小声で)

まあ、座りませんか
俺、なんか飲み物買ってきますよ

先輩カフェオレ好きでしたよね

ん?どうしました(手を掴まれる)

ちょ、ちょ、ちょ
ど、どうしたんすか?(ハグされる)

酒臭っ…
え?お、俺が好き?

何を冗談言ってんすか
って…寝てるし

えっとー…仮眠室、仮眠室

よいしょっと…
あーあーこんな無防備な姿で

俺に襲われても文句いえないですよ

さてと
仕事、終わらせないとな

・・・・・。

俺も好きです、先輩

No.22

タイトル:依頼


いらっしゃい
早いわね

何飲む?
はーい

最近仕事はどう?

ふーん
景気がいいのは良かったわね

私?んーまあまあ、かしらね
ここは一見さんは来ないから
貴方みたいな無愛想なおじさんしかね…

ふふっ…冗談よ

ん?
あー今回の仕事はこれ
ザック・ウォーカー
RINGコーポレーションのCEO

アパレルとかレストランとか
表では綺麗な仕事をしてるけど
裏で臓器売買や違法カジノとか
手広くやってるみたい

そっちの方からリークがあったのよ

質問はある?
そう…

貴方の腕なら簡単よね?
期待してるわ

そうだ、今夜どう?
うちに来ない?

ふふっ
じゃあ、待ってるわ

No.23

タイトル:森の魔女


あら、お客さん?
何百年ぶりかしら…

私はアルディーナ
この森を管理している魔女よ

そういえば…
入口の結界はどうしたの?

え、触ったら……壊れた?
ふふっ…はははははっ!!

いや、ごめんなさい
300年誰も通さなかった結界を
触っただけで?

あれは上級魔法よ
しかも多重結界だっていうのに

ふふっ
貴方、面白いわね

気に入ったわ
名前を聞かせてもらえるかしら?

No.24

タイトル:惑星消失


艦長
超速走行に入りました
オートコントロールに移行します

約5時間ほどで惑星カルファに
到着するでしょう

あ、はい
わかりました
ごゆっくりお休みください

はぁー
君たちも休みなさい
後は私がやっておく

なに、確認したら
私もすぐに休む
心配するな

やっと、帰ることができるな…

ん?おかしい…
さっきはこの座標にあったのに…

惑星カルファが…消えた?
いやいや、惑星がそんな簡単に
なくなるなんて…

ふっ…
何かの間違いだ
疲れてるんだな…きっと

あれ、艦長?
どうしたんです?
お休みになったのでは…

え?あ、はい
今、ここを見ていたのですが
何かの間違いかと…

は?
間違いじゃない?
そ、それはどういう?

え、あ、はい!
わかりました!!

全乗員に告ぐ
コール・レッド発令
直ちに司令室に集合せよ
繰り返す
コール・レッド発令
直ちに司令室に集合せよ

艦長…もしかして
本当に…

そんなことが
ありえるんですか?

No.25

タイトル:復讐


あ、気づいた
せーんせ

ふふっ
そうだよー
あたりー

何してる?
んー…監禁と誘拐かな

なんで?
もーうるさいな
俺、質問されるの嫌いなんだよね

先生?
今の立場わかってる?

あーだからさー
うるせぇなぁぁ!!
今すぐ口閉じねぇと殺すぞ!!

ほら
後ろの奴みたいになりなくなかったらぁ
大人しくしててねぇ

ふふっ
時間はあるからさぁ
あとでゆっくり遊んであげるよ

No.26

タイトル:精霊の住処


しーーーっ
静かに…

聞こえるかい?
ここが精霊の住処だ

よーく、耳を澄ませるんだ

そうすれば、君のスフィアと
共鳴する子が見つかるよ

心配しなくていい
ここは時間の流れが外界と異なる

焦らず、じっくりだ

君の素敵なパートナーを
見つけるためにね

No.27

タイトル:氷の精霊


何見てるの?
私の目が珍しい?

そう…もっとこっちへ来たら?
近くで見てもいいわよ

私は氷の精霊
訳あってこちらの世界で
人間として生きているの

え?
何があったのか?

んーそうね…
こちらの言葉で言うなら…
失恋…かしら

ふふっ
貴方はどう?
今、好きな人はいる?

No.28

タイトル:ブラックオークション


紳士、淑女の皆様

本日はお越し頂き
まことにありがとうございます

わたくし、この館の主
レイと申します
以後お見知り置きを

さて、招待状にもある通り
今宵はブラックオークションです

私が集めた異世界コレクションから
厳選したものを皆様にご紹介させて頂きます

そして
落札された方には今回も特別なプレゼントを
ご用意しておりますのでお楽しみに

それでは、早速
参りましょう

一品目はこちらです

No.29

タイトル:カウントダウン開始


データベース照合
機体名ALPHA(あるふぁ)88569

認証確認…一致しました

ファーストゲート開放
同時にメテオコアにアクセス
コネクト

続いてセカンドゲート開放
ライフゲージオールグリーン
エラー情報なし

ファイナルゲート開放
外部のエリアサーチ開始…サーチ完了
半径1キロ圏内異常なし

コックピット
セルフコントロールへ
トランスファー

発射限界
カウントダウン…開始

No.30

タイトル:秋はかなしき


奥山に
もみぢふみわけ
鳴く鹿の
声聞くときぞ
秋はかなしき

秋というのは儚(はかな)く
淡(あわ)い
寂しげで静かだ

その短い時の流れに何を思う

隣にいる者を慈(いつく)しみ
日々の機微(きび)を嗜(たしな)む

黄昏に思いを馳(は)せて
月夜の静寂に浸(ひた)る

あと幾度(いくど)
この時を過ごせるのだろうか

その時が来るのは
何時なのだろうか

No.31

タイトル:一緒にいて?


お兄ちゃん
もう行っちゃうの?

まだ、一緒にいて
私が眠るまで…

おねがい…

ふふっ
ありがとお兄ちゃん

大好き…

手、繋いで?

No.32

タイトル:司法解剖


父さん
お待たせ

今回のご遺体はこの人?

焼死体か
結構、腐食が進んでるね

えーっと
11月3日未明
県境の山中で登山者が発見
地下2mほどの穴に埋められ
ゴミ袋に包まれていた

んー袋の上部が見えていたのか

中は焼死体で白骨化も進んでいた
鑑識の調べによると死後3ヶ月以上が
経っていて詳しい死因はわからずと…

なるほど
この状況だと死因を見つけるのは困難だ
普通ならね…

始めようか、父さん

真実の欠片は必ずどこかに存在する

完璧な人間などこの世にいないのだから

No.33

タイトル:悪女


ふふっ…
バカじゃない?

え?じゃないわよ
貴方のこと言ったの

プラダのバッグ30万
マックスマーラのコート16万
ダイヤのリング120万
よくもまあ、ここまで気づかないわね

清楚?
純粋?

ははっ…
そんなの演技に決まってるでしょ?

貴方の夢物語には反吐が出るわ
現実をもっと見る事ね

返せ?
残念、これはもう私のものよ
それに貴方はもう私とは何の関係もない

ほら
気持ちよくなってきたでしょ?

安心して、ただの睡眠薬だから
さようなら、マイハニー

No.34

タイトル:ドラキュラ


貴方の血は特別

私と相性がいいの

ここで出会えたのは必然であり、運命

ずっと、待ってた

混血のヴィンセントを

No.35

タイトル:殺人事件


先輩
現場はここですか?

緊張……してないって言ったら嘘になりますね
初めてですから

しかも最初が殺人事件なんて…

え?
これからいくらでも見ることになる…
確かに…そうですよね

ふぅーーー
行きましょうか

お疲れ様です
東新宿署の八神(やがみ)です
ガイシャはどこですか?

No.36

タイトル:セカイの結末


さて
この最下層には何があると思う?

"セカイの結末"だよ
比喩ではない、コトバの通りさ

どんなものにも始まりがあって
終わりがある

そこにあるのは"終わり"だ

言っている意味がわからない?
んーまあ、そうだろうね

あまり先入観をもってほしくないが…
かく言うこの私が"始まり"だ
"セカイの根源"だよ

ふふっ
まあ、大丈夫さ

進んでいけば徐々にわかってくる
君の使命と進むべき道がね

さぁ、行きなさい
トビラが閉まってしまう

では、また会おう…
向こうで待っているよ

No.37

タイトル:亜人レストラン


いらっしゃいませ

ここは亜人レストランです
つまり人ならざるものしか入れません

貴方は…なんと
これは珍しい
ダークエルフですね

おひとりですか?

わかりました
こちらへどうぞ

本日は新鮮な人間が手に入りましたので
オススメですよ

若い女で肌に張りがあって
丁度よく肉も付いています

シンプルにソテーやまたはシチューなども
肉がとろけて美味しいですよ

シチューですか?
かしこまりました…

あ、お客様申し訳ありませんが
これから捌きますので
多少うるさくなりますがお気になさらず

こちらサービスのオッドアイの
カルパッチョです
少々お待ちくださいませ

さてと…
ぎゃあぎゃあうるせぇな
客席まで聞こえるだろ

ふふっ…

まあ…活きのいい証拠か
今、楽にしてやるからな

No.38

タイトル:ねぇ、髪切った?


おまたせ
待った?

そっか…よかった
あれ?髪切った?

そうなんだ
うん…似合ってるよ
かっこいい

え?もう1回?
なんか改めて言われるとな…

んー…かっこいい…好き…

あー、笑うなー

照れてる姿が可愛くて?
そりゃあ恥ずかしいよ…

別に怒ってないけどさぁ…

え?うん…繋ぐ

ふふっ…
今日はどこ行くの?

No.39

タイトル:人質


貴方、しぶといですね
何がなんでも吐かないつもりですか?

ボスの居場所さえ教えてくれれば
解放してあげるのに

はぁー…
こちらも吐いてもらわないと困るんですよね…

それでしたら…
こちらのタブレットをご覧下さい

これは部下に取り付けたカメラの映像です
ふふっ…気づきましたか?

そう…映っているのは貴方のフィアンセです

私の部下は優秀でしてね
命令をすればその通りに動きます
私がストップと言うまでね

これが何を意味するか
貴方だったらわかりますよね?

ん?
さっきまでの威勢はどうしました?

ふふっ…
貴方ほどの方でも動揺するんですね
これはいいものを見れました

素直になることです
貴方の大切な人を守りたいならね

No.40

タイトル:死神


どうも
こんばんわ

わたくし
死神のネビロスと申します

貴方に大事お話があって参りました

え?あぁ…
今は時間を止めてあるので
ご心配なく…

先程、屋上から飛び降りましたよね?

困るんですよ…
勝手に死んでもらっては
こちらにもスケジュールってものがあります

こっちの勝手?
はぁー…そういう方が一番厄介なんですよねぇ

いいですか?
天界ではいつ、どこで、だれが
どのような事で
死ぬかは決まっているんです
時間も秒単位で正確にです

なので突発的な自殺はやめて頂きたいんです
どれだけの人件費がかかると
おもってるんですか

自分が楽になればいいと
思ってるかもしれませんが
後始末が大変なんですからね

命をもう少し大切にしてください

あ、そうそう
貴方のようなかたには死ぬ日時を
お知らせしています

えーっと貴方が亡くなるのは…
あー明日だ

惜しかったですねー

それではまた
明日、お迎えにあがります

No.41

タイトル:アイノカタチ


ただいまー
はぁー疲れた〜

部長のやつ、仕事押し付けやがって
マジで殺すかな…

ん?どうした?
お腹空いてるのか?

え?
あぁ…これじゃあ口が聞けないか

取ってあげるけど叫んだらどうなるか
わかってるよね?

んーいい子だ
今日も大人しくしてたんだねぇ

あーそうか
これじゃあ、身動きなんか取れないか

あとで自由にしてあげるからね…
ふふっ…いい顔してるなぁ…

今夜も可愛い声で鳴けよ

No.42

タイトル:異世界区役所


えー、366番の方ー
お待たせいたしました…ってえっ!?

あ、貴方はもしや魔王様ではないですか?

えっと…
本日はどのような要件でしょうか…?

え?今、なんと?…婚姻届!?
あ、いえすみません

魔王様でも結婚するんだなぁと思って
しかも婚姻届出しに来るなんて

何か悪いか?
い、いえ何も!!

は、はい確認しますね
えっと、御相手は…勇者オリビア
勇者…勇者!?

これはどういう…っていた!!
魔王様の後ろで全然見えなかったけど…
ってか勇者様って女性だったんだ
しかも可愛い…

あ、い、いえなんでもないです…
えーと、あ、申し訳ないのですが
裏面の証人者の欄が記入されていません
こちらがないと受理できないんですよ

あ、はい
ご両親でもご友人でも大丈夫です

部下でも大丈夫か?
はい、別にかまわないですが…

え?魔王様、何を…

わわわわっ!!
魔王様ストップ!ストップ!!
ここで召喚魔法を唱えないでください!!
建物が壊れてしまいます!!

はぁ…はぁ
どうしたら?
普通に連絡して来てもらってください

魔王とかならテレパシーとか
使えるんじゃないです?

あ、じゃないですよ
あ、じゃ

じゃあ、その間にここの欄も空欄なので
勇者様ご記入頂けますか?
勇者様?

あのー…聞いてます
勇者様!!

イチャついてないで早く書いてください
この2人大丈夫なのかよ…

ってか勇者と魔王が結婚って
この世界どうなるんだ…

これって…
もしかしてえらいことなんじゃ

いや、いいや
深く考えるのはやめよう…仕事仕事

は、はい
ありがとうございます
大丈夫そうですね

そうしましたら手続きは進めておきますので
ご証人様が記入されたらは
あちらの4番窓口にお越しください

はい、お待ちしております

はぁ〜なんかどっと疲れたな
さて…(咳払い)
番号札400番の方ーこちらへどうぞー

No.43

タイトル:プライド


ごきげんよう、皆さん
今日もいいお天気ね

さぁ、道を開けなさい
私の通る場所が塵一つ無いように

あら、靴が汚れているわ
んー…そこの貴方、膝まづきなさい

何してるの?
ほら、早く

何、その反抗的な目は?
この桜燐(おうりん)学園の
トップに立つ私に歯向かおうってわけ?

ふふっ…上等じゃな…
ってそれは学園統制部の腕章…

わ、私は何もしていません
失礼します

くっ…偉そうに
今に見てなさい

お父様に言いつけてやるんだから

No.44

タイトル:私は何者か


最後にお前に問おう
剣を持つとはどういうことか?

そうだ…
人の生き死にに介入するということだ

私はこれまでいくつもの戦で剣を振るってきた
数え切れないほどの命を奪ってきた

たとえそれが命令だとしても
その事実が揺るがされることはない

…殺した相手に恨みなどない
ただ、出会ったのが戦場だっただけだ

人の出会いとは無常だな
時が違えば友だったかもしれない

私はいつも思う
ここにいる私は何者なのかと

それを問い続けながら
今を生きている

お前は自分が何者かわかるか?
ふふっ…
すぐに答えなどでない

しかし、その答えはお前にしかわからない

剣をとれ
そして、問い続けろ

それがお前の強さになるんだからな

No.45

タイトル:君の言葉で


んー風が気持ちいいね
夕日も綺麗…

ねぇ?
どうしたの?
私の顔に何かついてる?

え?考え事?
何、考え事って?

秘密? ふーん、そっか…
ふふっ…

当ててあげよっか?

んーたぶんあってると思う
この場所と
君が今、右手にもってる箱と
緊張してる姿を見てればね

ほら、図星だ

ふふっ…
ねぇ、こっち見て

大丈夫
私の答えは決まってるから

君の言葉で伝えて
私は、君の正直な気持ちを聞きたい

今日という日を
いつまでも残しておきたいから

No.46

タイトル:最強老師


はぁー
今日も飲んだなぁ…ヒック

早く帰らないと叱られちまう
ん?なんだお前らは?

金をだせ?ほぉ?お主らか
最近、巷(ちまた)で
話題になってる小悪党は

おっと…
いきなり斬りかかってくるとは
礼儀もしらんのか
やれやれ…

ほいっと
ひょいと
ほらほら当たらんぞ
どこを狙っておる

こっちじゃ
こっち
基本がなっておらんのぅ

ふぅ〜…ん?もう終わりか?

相手が悪かったなぁ、若造共
儂に勝とうなんて100年早いわ

はっはは
これ一度言ってみたかったんじゃ

No.47

タイトル:極道女将


お客さんかい?
いいよ、通しな

なんだ、鷲崎(わしざき)
のところの倅(せがれ)じゃないか

何の用だい?

ふーん、なるほどねぇ
それで私に助けて欲しいと

まあ、やってやらんでもないが
人に何か頼む時に

手ぶらってのはどうなんだい? ん?

アイツに伝えな
私を落としたいなら
いい酒でも持っててめぇが来いってねぇ…

ほら、回れ右だ

ふふっ…あの目
昔のアイツにそっくりだな…

No.48

タイトル:覚悟


ぬるいな…

お前は今まで何を見てきた?
何を目指してきたんだ?

お前の剣はそんなものか?

妹を助けに行くだろう
そんな腑抜(ふぬ)けた剣でどうする

誰かを助けたいのなら
余計な考えは捨てろ

同情なんていらない
向かってくる敵は
容赦なく斬り捨てろ

何かを手に入れたいのなら
何かを手放さなきゃいけない
それがこの世の理(ことわり)というものだ

さぁ、続けるぞ
かかってこい

お前の覚悟を見せてみろ

No.49

タイトル:BARにて


なぁ、兄ちゃん?
火、貸してくれねぇか?

悪いな…
ん…ふぅーー

仕事終わりか?
そっかそっか

ん?俺か?
俺はまあ、仕事の途中かな…

取引の相手に連絡がつかなくてよ
仲間に調べさせてんだ
だから休憩中…
(電話がかかってくる)

あぁ、俺だ
え?事務所で死んでる?
まさか、またアイツらの仕業か?

はぁーー
めんどくせぇなぁ…
わかったよ、すぐ行く

ったく人使い荒ぇなぁ
ん?
死んでるって?

あ、あぁ…
うちの飼ってる犬がなぁ…って
無理あるか…

いいか?
今、聞いたことは忘れるんだ
このBARでは誰とも話さなかった…

世の中にはな
知らない方がいいことがある…

平穏な日々を送りたいならな

ふっ…
じゃ…またな

No.50

タイトル:異世界図書館


あー
ようこそいらっしゃいました

ご挨拶が遅れて申し訳ありません
本に没頭すると
周りが見えなくなってしまって…

わたくし
こちらの管理を務めております
レッドドラゴンのルカと申します

え?人間の姿?
あぁ…ドラゴンは人間に擬態できるんですよ

ほら?羽があるでしょ?
ドラゴンの大きさではここで働けませんからね

こちらは初めてですか?

分かりました

ここは
冒険者に開かれた図書館です
1階が世界の文化や歴史書
2階が魔導書や魔術書
3階が錬金術やその他の書物となっております

地下にも書庫はありますが
禁書庫となっていますので
そこはSランク以上の方に限らせて頂いています

今回は何をお探しでしょうか?

白魔術の本ですね
それでしたら2階になります

ご案内致しますね
こちらへどうぞ

No.51

タイトル:あの日の約束を覚えていますか?


あの約束を覚えていますか?

貴方は今
どんな空を見ていますか?

私は日々、貴方を想っています

貴方のシャツにアイロンをかけて
貴方の好きな料理を作って…

便りが来なくなってから
随分と時間が経ってしまいました

でも私は信じています
貴方を愛していますから

私はここで待っています

指輪をはめてくれる
その時まで

No.52

タイトル:最後の空で


皆様
本日は当機をご利用頂きありがとうございます
まもなく、成田空港へ到着いたします

お座りになりシートベルトを
しっかりとお締めください

当機の居心地はいかがでしたでしょうか?

クルー共々お客様に旅の疲れを癒して頂くため
細やかなサービスを心掛けています

あと僅かな時間ではありますが
ごゆっくりとお過ごしください

また私事になってしまいますが
この便を持ちましてパイロットの
職務を終えます

最後にこのクルーと働くことができ
お客様一人一人をお乗せできたことを
光栄に思います

こうして無事に続けてこれたのは
隣にいてくれた
仲間がいたからです

優秀なクルーがいるからこそ
緊張感をもって、自分の職務を全うできる
今はそれをひしひしと感じています

右手をご覧下さい
雲の隙間から夕日が輝いています
きっと明日は青空が広がるでしょう
私はこの空を決して忘れません

長々と大変失礼いたしました
お客様の明日が良き日になりますよう
お祈り申し上げます

重ねてになりますが
本日は当機をご利用頂き誠に
ありがとうございます

まもなく、成田空港へ到着です

No.53

タイトル:先生の秘密


ねぇ?
こんな所で何してるの?

ふふっ
そんなにビックリした?

授業サボっちゃダメだよー
学生の本分は勉学なんだから

私?
私もサボりかな…

え?
先生がそんなことしていいのかって?

んーダメだよね
でも大人だって抜け出したいときはあるんだよ

となり、座っていい?
ありがと…

あのさぁ…
君、私の事好きでしょ?

ふふっ
いいね
君は正直者だ

ご褒美に
私の秘密を教えてあげる

No.54

タイトル:カフェで


ねー

ねー?
ねえってば

おにーさん
私の事みてたでしょ?

私が好みだった?

ふふっ…分かりやすいなぁ
まあ、そうじゃないと
あんなに見ないよねぇ

ここ、座っていい?
え?って空いてるからいいじゃない?

それとも彼女でも来るの?
それはないか…

どう?
目の前で見る私は?
感想を20文字以内で述べよ…なんてね

すいませーん
ストロベリーパフェくださーい

あぁ、そうそう
私、おにーさんと初対面じゃないのよ

ふふっ…
さて、どこで会ったでしょう

No.55

タイトル:最後の晩餐


ふふっ
何をたじろいでいるのですか?旦那様?

お夕飯をお持ちしたんです
今日は旦那様が大好きなシチューだと
コックが申しておりました

あぁ?
これですか?

先程返り血を浴びてしまいまして
大人しくしていれば
直ぐに逝けたものを…

さぁ
お座りになられたらどうですか?
シチューが冷めてしまいます

はぁー
最後の晩餐なのに
もったいない

んー…わかりました
私が食べることにします

貴方を
あの世に送った後でね

No.56

タイトル:弱ってる彼の本音


お邪魔しまーす

あ、どう?具合?
熱下がった?

そっか…
ちょっといい?

んー…まだ熱いね

冷えピタとかポカリとか買ってきたから
食欲はどう?
何か食べれそう?

んーでも何か食べないと
元気にならないよ

私、お粥作るね
キッチン借りるよ?

え?なに?
手を…繋いでほしい?

ふふっ…わかった
握っててあげるから

こういうところ可愛いんだよなぁ…

え?ううん…なんでもない

No.57

タイトル:アンドロイド


私は、
戦闘型アンドロイドPZα
(ぴーぜっとあるふぁ)

今から650年と45日前
テックソフト社から秘密裏に
製造されました

私と同じ個体は3機有りますが
380年と65日前に"ある事象"により
信号が途絶えました

現在その事象につきましては
国際機密事項となっております

私も同じ事象により
損傷しましたが
メインコアが生きていたため
自己修復しました

この研究所のシグナルキーを
お持ちということは
貴方が新しいマスターですね

目の前にあるアセプトボタンを
押してください

遺伝子認証確認
照合率98.6パーセント

これで権限が付与されました
起動…開始します

No.58

タイトル:メイド喫茶の裏稼業


おかえりなさいませ、ご主人様♡
ようこそ萌喫茶リバーシへ

お飲み物は何になさいますか?

え、ちがう?
あーなるほどあっちの方ね…

ちょっと待ってな
んー…あ、もしもし店長
依頼人の方来てますよ

あ?だれって昨日本部から
連絡きてたでしょ?

まったく…
は・や・く来てくださいね

はぁー
あ、すいませんね

そこら辺に座っててください
すぐ来ますんで

さてと…
う゛う゛ん(咳払い)

お客様ー
お待たせ致しました♡
こちらラブリーオムライスです♡

No.59

タイトル:親友からの激励


ご報告致します
敵が進軍したとの連絡が偵察隊から入りました

明日の未明頃、こちらの領内に
入ると思われます

はい
全軍準備は整っております
隊長のご指示があればいつでも

はい
なんでしょうか?

はぁー
隊長、失礼ですが
ここからは友人として
進言させて頂きます

おい…
何、弱気になってんだ?

軍を率いる者が戦いの前に
そんなこといってんじゃねぇ

あの誓いを忘れたのか?
二人で約束したじゃねぇか
あいつの分まで生き残るって

お前の背中はな
何十万という兵が見ている
真っ直ぐ前を向け
それがお前の仕事だ

あとは
俺もついてるんだから
見くびってもらっちゃ困るんだよ

これは失礼いたしました

隊長、ご命令を

ふふっ…
かしこまりました

No.60

タイトル:千年に一度のお祝い


ご主人様〜!
ご主人様〜!!
あ、こんなところにいた

神様達がお越しになりましたよ
もうって…

子の刻(ねのこく)は
とっくに過ぎております

あぁ、また寝癖が…
もー、しゃんとしてください
せっかくのお祝いなのに…

今年は千年に一度の廻年(めぐるどし)
日本中の神様がお集まりになるんですから
お迎え、お願いしますね

あとは…
お兄様〜!
お兄様~!!
どこにおられますか〜!?

No.61

タイトル:試されし者


ん?
千手会(せんじゅかい)?

あーなるほど
お前さんは"試されし者"だね

ちょっと待っててくれ
よいしょと…
(立ち上がる)

ここを道なりに進みなさい
半刻(はんとき)ほど歩くと
お地蔵様が並んでらっしゃる

そうしたら
三人目の前で二礼二拍手一礼
次に六人目の頭に手を乗せなさい

そうすれば
お前さんの道は開かれるよ

もうそろそろ日が暮れる
お地蔵様が帰られる前に
行きなさい

ん?
ふふっ…
それは自分の目で確かめるんだ

ほら、前を向きな
ここからは決して
振り向いてはいけないよ

No.62

タイトル:彼氏の前では


え?
いや、暇じゃないです
人待ってるんで

やめてくれます
うざいんですけど

だから…
しつけーんだよ
その顔でナンパしてんじゃねえ
失せろ

はーい
ばいばーい

はぁー
めんどくさっ
まだかなー

あ…来た
もー、遅いよー

え?なんかナンパされちゃって
すごい怖かった…

だから、よしよしして?

ふふっ…
私も会いたかった

うん、行く

ねぇねぇ
手、繋ご?

No.63

タイトル:夏のはじまり


じめじめと張り付くような梅雨が終わり
雲から太陽が顔を覗かせる

朝から気温がぐんぐんと上がり
蝉達が起き出してくる

彼らの声を聴きながら
海へ歩を進めると

水平線には今にもこぼれ落ちそうな
入道雲が存在感を放っていた

手で日差しを抑えながら
空を見上げる

「これから始まるんだ」

そんな気配を
ひしひしと感じながら
僕は海岸を駆けた

No.64

タイトル:天界ラジオ


皆さん
こんばんわ

今宵も始まりました
「現世(うつしよ)の狭間で」
パーソナリティは
私、閻魔(えんま)がお送りします

早速メールが来てるようなので
読んでみましょう

ラジオネーム
地獄からの死者さんから頂きました

「閻魔さん、こんばんわ」
こんばんはー
「いつも楽しく聞いています」
ありがとうございます

「冥界のベストヒットへリクエストです」
「デーモンピストルズの
ダークサイドモーニングをお願いします
いつも仕事中に聞いている僕の大好きな曲です」

なるほどー
地獄よりの死者さん
リクエストありがとうございます

お仕事は何をしてるのかな…
あー書いてありましたね

魂の選別と配送かー
あれは結構大変なんですよねー
私も若い頃バイトしてました

少しコツを教えますと
1回魂を縦に回すと色が出やすいので
オススメですよ
是非やってみてください

それでは
去年の暗黒歌合戦にも初出場しました
今年は大ブレイクですね

デーモンピストルズで
ダークサイドモーニング

No.65

タイトル:夜の蝶


こんばんは
葵(あおい)です

お隣失礼しますね

お久しぶりですね
お元気でしたか?

ふふっ…それは良かったです
お飲み物はどうしますか?

はい…かしこまりました
お仕事方は順調ですか?

たしか以前、大きなプレゼンがあると…

はい…えぇ
そうですか
え…それで海外へ?
それは栄転ということでいいんですよね?

それはそれは
おめでとうございます
今日はシャンパンを
私から贈らせてください

ん?
伝えたいこと?
はい、なんでしょうか?

え…一緒に来てくれないか?
えっと…すみません、そういうことは…

きゃ!
やめてください!!
店長!このお客様が!!
(客が連れていかれる)

はぁー
うっざっ
ちょっと近くなりすぎたかしらね
私としたことが油断してたわ

あのゴミ虫が…
私の隣に座らせてあげてるだけでも…

ん? 指名?
はーい

あら、篠崎社長
いつもありがとうございます
ふふっ…私もお会いしたかったです♡

No.66

タイトル:一緒にいてくれた貴方へ


一緒にいてくれた貴方へ

貴方がこの手紙を読んでいる頃
私はこの世にはいないでしょう

私は病室でこの手紙を書いています
さっき、貴方が仕事に向かうのを見送りました

病気がわかったとき
お見舞いに来てくれる時も
貴方は一切不安な顔をせず
笑顔で私を励ましてくれましたね

「きっと治るさ」
「一緒にがんばろう」
その言葉が私の真っ暗な心を
照らしてくれました

貴方の明るさ、前を向く強さに
私は何度救われたかわかりません

でもお父さんが亡くなった時
友達が事故に合った時
貴方は一人で泣いていましたね

私は貴方の悲しみや苦しみを
分かち合いたかった

もう少し私を頼って欲しかった
そう思っています

私が亡くなったあとも
貴方はきっと一人で背負い込むでしょう

お願いです
それだけはやめてください

貴方の周りには
一緒に苦しんでくれる人がいます
一緒に泣いてくれる人がいます

だから頼ってください
そして、また笑顔で前を向いて下さい

貴方なら大丈夫です
一番近くにいた私が保証します

最後に
貴方と出会えて一緒に過ごすことができて
とても幸せでした

本当に幸せでした

今までありがとう
じゃあね

No.67

タイトル:ドライブの車中にて


ん…うーん
あれ…?私、寝ちゃってた?

あーごめん
昨日友達の相談聞いてて
寝るの遅くなっちゃって

あとどれくらい?
1時間ぐらいかー

ん?大丈夫、ありがと
なんかお腹すいちゃったな

え?後ろ?
あ、朝ごはん買ってくれたんだ

昆布に明太子に豆乳
ふふっ…さすが
わかってらっしゃる

何食べる?
ツナマヨ?
わかった…

じゃあ、口開けて?
いいのー食べさせてあげる

あーん…はいはい、運転に集中して
あーん…

はい、よくできました
ふふっ…私もたーべよ

んー豆乳美味っ!!

No.68

タイトル:選択肢


さて
ここいらが潮時でしょうかね

貴方はよくここまでたどり着いた
賞賛に値します

ですが…
ここからはアンデットワールド
聖者は入ることができません

しかし、貴方の欲しいものはこの先にあります
選択肢は2つです

あきらめてここで帰るか
もしくは
この死のダイスを振ることです

運が良ければ扉が開きます
運が悪ければ…ここが貴方の墓場です

まあ、その時はその時で…
あぁ…いいえ…なんでもありません

はい…じっくりお考え下さい
貴方の愛する人を救うために

是非、懸命なご判断を…

ふふふっ…

No.69

タイトル:わがまま姫


爺(じい)よ
わらわは城下に行きたい

今、カステーラという
甘味(かんみ)が
流行っているのだろう?

それを食べに行きたいのじゃ

ん?なぜじゃ?
なぜ2日も待たねばならん!?

いやいや
そんな準備はいらん!
衛兵(えいへい)も必要ない!!

わらわは今すぐ行きたいのじゃ!!

さぁ、行くぞ爺!
ほら、早くついてくるのじゃ

ふふふっ
一体、どんな味がするのかのう

とても楽しみじゃ

No.70

タイトル:裏切り


はは…ははっ

やっとここまできたのに…
何してくれてんだよ!!てめえ!!

一緒にやってきたじゃねぇか
あの時も…あの時も…あの時も!!

ここまで積み上げたものを
簡単にぶち壊しやがって!!

せっかく…
お前とはいい相棒になれると思ったのに…

残念だが…ここまでだ

最後の手向けに(俺/私)が殺してやる

じゃあな…

No.71

タイトル:不覚


ふぁあ〜
(あくび)

明日、どうしようっか?
久しぶりに休み合ったし
ドライブとか行く?

それとも映画館とかー

ん?
LINE来てるよ

いいの?
ふーん

そうそう!
私、見たい映画あったんだ

原作が漫画なんだけど昔から読んでて
ファンなんだよねぇ
キャストも豪華だから期待できるかなぁと思って……

ねぇ?
LINE…だれから?

ん?じゃなくて
見せて?
いいから…

早く、見せろって言ってんだろ?
ほら…ロック外す

えーっと
このハートがいっぱいの相手はだれかな?

あ?
聞こえねぇよ
声のボリュームぶっ壊れたか?

No.72

タイトル:夕影の民


おっと
そこから動いたら殺すぞ

もうお前の足元は私たちの縄張りだ

私は夕影(せきえい)の民の長(おさ)
朱那(しゅな)と申す

その顔は私たちのことを知っているな?

ほう、なるほど
なかなか博識だな…

それじゃあ、これも知っているか
夕影の民と目が合うと石化してしまう

ふふっ…はははははっ
そんなに狼狽えるな
まだ大丈夫だ

しかし、少しでも変な気を起こしたら
わかっているだろうな?

よろしい
お前に悪意は感じられない

ゆっくりと過ごされるといい

蒼き眼を持つものよ

No.73

タイトル:ご馳走


あれ?ご主人
今日はお早いですね

お仕事が早く終わった?
それはなによりです

ん?わたしに?
な…こ、これは子持ちししゃもではないですか!!!

どうしたんですか?
普段はケチなご主人が
こんなご馳走をくれるな……

さては…
何かいい事がありましたな?

にゃははは
私の目は誤魔化せませんぞ

ほら、言いなさいな
正直に白状しなさい

にゃ?
ほー、それで?
なるほど!!

それはそれは
おめでとうございます!!

とうとうご主人にも春がきましたか…

はぁー
感慨深いですなぁ

No.74

タイトル:結婚式


皆様
本日はお越しいただきまして
誠にありがとうございます

この春の穏やかな日に
こうして皆様にお会い出来ることを大変嬉しく思います

お二人も参列いただいた一人一人に
お礼を申し上げたいと仰っていました

二人が出会い、結婚に至るまでは
大変な困難がありました

それを乗り越えられたのは
ここにいらっしゃる方々の支えがあったからです

是非、結婚というゴールにたどり着いたお二人を拍手でお迎えください

そして、ここから始まる新たなスタートを
見守っていてください
よろしくお願いしたします

それでは
長らくお待たせ致しました

新郎新婦の入場です

No.75

タイトル:早朝の依頼


あー?

なんだお前か
こんな時間に起こすんじゃねぇ

何?依頼?

はぁー営業時間内に来てくださーい
ほら、しっ、しっ
(追い払う感じ)

だからなんだよ
とりあえず見てくれ?

めんどくさいなぁ
どうせ、ろくでもな………

おい? これマジか?

ふふっ…
面白いじゃねぇか

少しは目が覚めたかな

No.76

タイトル:鎌鼬


僕ですか?

凪風太郎(なぎふうたろう)
と言います

申しわけありませんが貴方を
殺しにきました

あー詳しくは言えないんですよ
守秘義務がありますので

まあ、すぐ向こうにいってもらうので
ご心配なく…

一陣の風…鎌鼬(かまいたち)

んー呆気ないな
僕が出ることもないと思うけど…

まあ、しょうがないか…

しかし、今日は
いい風が吹いているな

No.77

タイトル:真の強さ


刀とは己の信念であり
強さの象徴だ

しかし
依存してはいけない
いつの間にか心が喰われてしまうからだ

己を見失うな

刀とは対等であり、共鳴するからこそ
真の強さが発揮される

敬意を持って手に取るのだ
これからお前と共に生きるのだからな

No.78

タイトル:警察の闇


おい、ちょっといいか?
話がある…

あの事件で進展があった

ん?なんでこんなところで?
それは聞かれちゃいけない人物がいるからさ

よく聞けよ
1人目のガイシャと2人目のガイシャは共通点は
なく無差別犯の犯行だとこないだの会議では
言ってたな?

だがな
思わぬ人物が浮かび上がったんだ
真壁…本部長だ

とある所からの情報で
別々の日にガイシャと2人で歩いていたらしい

関係はまだ洗えてないが
ほら、写真は入手した

これがあれば
お前の能力で追えるだろう?

慎重に動けよ
いくらお前でも消されるぞ

この事件にはな…闇がある
ドス黒い闇がな

ふふっ…
相変わらず辛気臭い顔してんな
これが終わったらまたラーメン奢ってやるよ

じゃあ、頼んだぞ

No.79

タイトル:プリンス


えっと…君かな?
僕を呼び出したのは?
何の用だい?

僕が…好き?

はぁー
またか…

悪いね
君を嫌ってるわけじゃないが
僕は学問にしか興味がなくてね

しかし、入学してから
君で10人目だ
僕に告白してきた子はね

どうも僕はモテるらしい

こういう経験はたしかに有意義だと思うが
残念ながら問題が一つある

僕は…学術的には女だ
性自認もね

服装や言葉遣いで勘違いさせてしまったなら
申し訳ない

んー…
君の行為を無下にするのもよくないか…

君が良ければ僕と友達になってはくれないかな?

No.80

タイトル:行ってらっしゃい


ん?もう行く?

今日って少し遅くなるんだっけ?

うん、わかった
これ、お弁当

ネクタイ曲がってるよ

今日ねー
夜、大事な話があるから
楽しみにしててね

はい、OK
え? それは秘密です

ふふっ…私も大好き
はい、今日も頑張ってね

行ってらっしゃい

No.81

タイトル:怪盗


おっと、静かに

今、追われていてな
少し邪魔するぞ

しかし、この世のセキュリティも
甘くなったものだなぁ

なんでもかんでもAIに頼って
肝心なところを疎(おろそ)かにしている

ん?私か?
私は怪盗だ

ルパン?キッド?
あれは空想の産物だろう
あんな奴らと一緒にするな

私は…ここを盗む
人間の脳をな

高値で売れるんだよ
向こうの世界ではね…

おっと、もうそろそろ
行かないとお客が待ってる

ではな小僧
またどこかで

No.82

タイトル:プリズンクイーン


あら
あなたは新人さん?

何をしてここに?

ふーん…強盗に殺人かー
じゃあ、15年ってとこ?

ふふっ…当たった

え?私?
どーしよーかなー
じゃあ、当ててみてよ

んー…あなたの生まれた頃にはここにいたわ

何歳?

はぁ
レディに年齢を聞くものじゃないわよ

ふふっ…
まあ、仲良くしましょう
ここの住人は貴方を歓迎するわ

え?
気づかない?
貴方の後ろにいるわよ

No.83

タイトル:逆ナン


ねぇねぇ
お兄さん?

なんの本読んでるの?

ふーん小説かぁ…
誰かと待ち合わせ?
それとも暇つぶし?

え?
なんでそんなこと
答えないといけないのか?

うーん、もし暇だったらー
アリスと遊んでくれないかなぁと思って

まあ、いわゆる逆ナンってやつ?
お兄さんカッコイイし

え?彼女と待ち合わせ?
ちぇ、なーんだ、そっかー

もう行く?
ちょっと待って
LINE教えてよ

いいじゃん
はーやーくー

はい、ゲットー

私2番目でもいいから
いつでも連絡して
なんでも付き合ってあげる♡

じゃあね
お兄さん

No.84

タイトル:失われた言語


ヌンバ、アビラカタニ?
(お前はだれだ?)

サルトゥールカリバ 、バモン?
(どこから入ってきたんだ?)

ナナ? グルッパジダナ?
(どうした?言葉がわからないのか?)

おい? これでどうだ?

ふぅーやっと伝わったか…
それにしてもこれははるか昔に
失われた言語だぞ…

本当にお前は…どこからきたんだ?

No.85

タイトル:右腕


よくきたな
私はここの騎士団長だ

早速だが
お前には私の右腕になってもらう

ふふっ…そんなに固くなるな
お前の噂は聞いているぞ

歴代トップの成績で学園を出て
入隊試験でもあのガリウスを
唸(うな)らせたそうじゃないか?

お前には大いに期待しているぞ

だから…肩の力をぬけ
お前は必ず私が守る
お前も私を守ってくれ

私たちはこれから幾多の敵に
立ち向かわなければならないのだからな

背中は…任せたぞ

No.86

タイトル:誘拐


あら
やっと起きましたね

こんにちは
私はここの主、雅(みやび)と申します

申し訳ありませんが
あなたを誘拐させて貰いました

ん?なんで?

それは貴方のご両親が……
んーこれは子供に話すことではありませんね

大人しくしていてください
そうすれば何もいたしません

まあ、生きて帰れるかは
わかりませんが……

だから
暴れないでください…

はぁーー
おい…
その辺にしとけよ?

お前なんか簡単に殺せるんだからな?
まだ生きていたければ
その減らず口を閉じておけ

うん…いい子ですね
あと、目上の人には敬語をつかうものですよ

わかりましたか?

No.87

タイトル:兄の裏切り


兄貴…
そこで止まれ…

なぜ隠してた?
父さんと母さんを殺したことを

あの時流した涙は
嘘だったってこと?

私は…
私は…兄貴こと大好きだったんだ

みんなに慕われる姿
優しい笑顔
小さい頃からずっと背中を追いかけてきた…

今までのこと
全部嘘だっていうのかよっ!!!

なんだよその顔…
何笑ってんだよ?
何が可笑しい?

はぁー
お前は絶対に許さない

私が地獄に送ってやる
お前を撃ったら私も死ぬ

じゃあね…
お兄ちゃん…

No.88

タイトル:猫の昼寝


春が来る

私はなんとなくわかるんだ

北風が南風になって
運んでくる匂いが変わる

すると新芽がポツポツ生えてきて
散歩するのが楽しくなる

空からの日差しが暖かくて
川沿いの土手でいつも昼寝をする

遠くで電車の音が聞こえたり
公園で子供たちが遊んでいたり
いろんな音が心地いい

ふぁぁ…
ずっと春だったらいいのに

春眠暁(しゅんみんあかつき)を覚えずか
ふぁぁ…

No.89

タイトル:最速の剣士


さて、お主は何者だ

最近、夜に辻斬りが出ると聞いた

般若の面に黒装束
腰には大太刀(おおたち)
お主がそのようだな

悪いが今は師範が留守でな
私がお相手致そう

何を笑っている?
女だと思って甘く見ると痛い目にあうぞ

挨拶がわりに…

これはなんだ?

ふふっ
何を焦っている?
今、お前の腰から抜いたんだ
見えなかったか?

これが神速(しんそく)移動術
"蘭舞(らんぶ)"

ほら、受け取れ
最初にここに来たのは間違いだったな

さぁ、参るぞ

No.90

タイトル:異世界の薬屋


えーっと…
今日は買い物に行って

ポーションが無くなりそうだから
作んないと
そうだ、森に薬草も取りに行かないと…

あ、いらっしゃいませ!!
すみません…バタバタしてて…

そちらに少し座っててもらっていいですか?

お師匠さまぁ!お客様です!
お師匠さまぁ!?
もーまた研究に没頭してるんですかね…
困ったものです…

きゃ!!
いてててて…
なんでこんな所に塗り薬が

えっと
お待たせしました
大変お見苦しいところを…

ようこそ、薬屋のルルドへ
本日は何をご所望でしょうか?

No.91

タイトル:不意打ち


(放課後の教室)
ねぇ?

何見てんの?
気持ち悪いんだけど…

は?
声が小さくて聞こえなーい

メガネが、に…似合ってる?

ばか
冗談やめてよ
何言ってんの?

本当って……
ねぇ
そんなに見つめないで

恥ずかしいから
私、もう帰る…

あのさ…
ありがと…ね

バイバイ

No.92

タイトル:答え


「東京…ついに来たのね…」

私の生まれた場所
僅かな記憶が残る街

手がかりはこの日記だけ

でも私は諦めない
お母さんが残してくれたから

探し出すんだ
私のお父さんを

そして…
一発…ぶん殴ってやるんだ…

No.93

タイトル:修羅場


ただいまー
はぁー疲れた

直樹ー?
部屋かな?

ねぇ聞いてよ
出張行ったら相手先のドタキャンで……

って…何してんの?

はぁーーー
マジか…

その女だれ?
……黙ってたらわかんないでしょ?

ん? 日本語忘れた?
出張中に女連れ込んで浮気…

ふふっ…
ドラマのワンシーンじゃあるまいし
こんなこと本当にあるのね

あれ?
あなた何帰ろうとしてるの?

帰さないわよ
そこに座りなさい
座れ…

さぁ…
どうしてくれようかしらねー

No.94

タイトル:門番


そこの奴止まりな

誰の許可で入ってきている
ここを天魔城と知っての狼藉(ろうぜき)か?

ほほぅ
私たちを見て逃げ出さないとは

腕に相当自信があるのか…
それともただの阿呆(あほう)か…

まぁ…
剣を交えれば直ぐにわかるだろう

私達は天魔十二衆
(てんまじゅうにしゅう)
朱羅(しゅら)と翠蓮(すいれん)だ

冥土の土産に覚えていけ

さぁ…参るぞ

No.95

タイトル:無限の可能性


"無限"
それは限りのないということ

この世界のものに無限なものなど存在しない
花は枯れ
食べ物は腐り
人間は死ぬ

何もかもが有限であり終わりがある
この星もいつかは止まり、終末が来るだろう

それは100年後かもしれないし
明日かもしれない

この宇宙でさえどこかに終わりがあるのだ
それではなぜ"無限"という言葉があるのか?

それは人々の夢と希望とロマンであると
私は思う

私はこれからそれを探しに行くのだ
この船に乗って…

君たちはなぜこの船に乗る?
それはまだ明確でなくてもいい

これから様々な世界を見て
見つけるんだ

それこそ"無限の可能性"
を秘めているんだからね

No.96

タイトル:ご挨拶


ねぇ?
緊張してる?

もう
そんな戦場に赴(おもむ)く
兵士みたいな顔して

大丈夫
お母さんにはいつも電話で話しているし
お父さんにもこないだ帰った時に
ちゃんと伝えた

大事な人がいるから
今度連れてくるねって…

はいはい
深呼吸、深呼吸

こっち向いて
ネクタイ曲がってる

んー…
これでよしっと

ふふっ…可愛い…

んーん、なんでもない

じゃあ、行くよ?

No.97

タイトル:暗殺


あら
あなたは?

あぁ…新しい執事ね
そこ座ってくれる?

初めまして、私はアリス
この伯爵家の娘よ

あぁ、やめて
堅苦しいのはいいわ
敬語もいらない

あなたは私が経歴を見て選んだの
まさにピッタリだったわ
これからよろしくね

さて…
早速だけど
あなたにはお父様を殺してもらうわ

ふふっ…
そう、暗殺計画の実行

それがあなたの役目よ

No.98

タイトル:そばにいた人


シャワーの水がゆっくりと
排水溝に吸い込まれていく

「幸せになってね」
その言葉しか見つからなかった

幼なじみ…
いつもは綺麗に聞こえる言葉が
今はノイズのようにうるさい

今まで過ごしてきた時間なんか関係なかった

好きだったのは
愛していたのは
私だけだった…

いつもそばにいた人がいなくなる
受け入れられない気持ちで
心が溢(あふ)れた

「こんなはずじゃなかったのに…」

かろうじて口に出した言葉は
驚くほど虚(むな)しく
水の中に消えた

No.99

タイトル:お願い


ねぇ?
お姉ちゃん

今日さ、一緒に寝てもいい?
さっき怖いテレビ見ちゃって…

んーほんとはさ
僕もお兄ちゃんになるから

一人で寝れるようにならないと
いけないんだけど…

でもお姉ちゃん大好きだから

ね? 今日だけ…
だめ…かな?

ほんと?
ふふっ、ありがとう!!

No.100

タイトル:アーティファクト


あー
早かったな

ん? ほら
左のゲートの向こう

あれは古(いにしえ)のアーティファクトだな
ちょっと面倒なことになりそうだ

上官はなんて?
あ?ウチらが最初?

はぁー…
めんどくせぇなぁ

え!?
その代わりに初号機を使っていい?

マジかよ!
でも隊長は?

あー…今はコールドスリープ中か

なるほどね
でもなんかやる気出てきたわ

んーー(伸び)

ふふふっ
久々に大暴れしますかねー

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